持続的な企業価値拡大を実現するビジネスモデル

企業価値の持続的拡大

「付加価値の創造」と「資産戦略」を両輪に

当社は、創業以来培った当社しか成し得ない「付加価値の創造」、並びに2000年代の継続的な変革を通じて磨き上げてきた強みを持つ領域への投資や資産効率の追求等の「資産戦略」という2つの企業価値創造ドライバーを両輪とするビジネスモデルを構築しています。

2つの企業価値創造ドライバー

コーディネーション
当社の顧客資産、有力企業とのパートナーシップを活用し、販路・調達先の開拓や大規模プロジェクトの組成等新規ビジネスの創造へと発展させます。

ブランドマネジメント
販売チャネルや商品展開等、統合的なマネジメントにより、ブランドの価値を高め、ビジネスのイニシアチブ獲得を目指します。

事業経営
総合商社として培ってきた様々な機能、経営ノウハウ等の提供を通じ、事業会社の企業価値向上を強力にサポートします。

強みを持つ領域への投資
生活消費関連分野を中心とする非資源分野や、中国・アジアや各カンパニーで強みを持つ領域への投資を原則とし、競争優位性の一層の強化に努めています。

リスク管理
「リスクアセット」によるリスクの総量管理、資本コストに基づくハードルレートを用いた投資評価による案件ごとのリスク管理や、事業を取り巻く多岐にわたる様々なリスク要因を分析し、コントロールしています。

資産効率の追求
収益規模・投資効率・戦略的意義等の観点から低効率資産と判断した案件についてはEXITを実行し、資産の効率性向上を図ると同時に、キャッシュ・フロー経営強化のもと、フリー・キャッシュ・フローの最大化を目指します。

(→事業投資・リスク管理)[PDF]

01. 持続性の根拠
キャッシュ・フローの安定性(→CFOインタビュー)

当社のキャッシュ・フローの基盤となるのは、当社が強みを持ち、ボラティリティがコントロールされた安定的な非資源分野の収益力です。今後もステークホルダーが重視するキャッシュ・フローの持続的な創出を追求していきます。

02. 持続性の根拠
独自の3つの強み(「非資源分野の収益力」・「個の力」・「中国・アジアでの経験と実績」)

2011年度以降、長きに亘り蓄積した潜在力を解き放ってきた当社独自の3つの強みが、模倣困難な競争優位を有し、持続的な企業価値の創造を実現します。

03. 持続性の根拠
厚みのある非財務資本

当社は、まだ企業価値に顕在化していない厚みのある非財務資本を有しています。
これらは、ESG要因も取り込み、資本コストの低減に資するものであり、ビジネスモデルの持続性を確保しています。

内的経営資源

人的資産
人材は、当社のビジネスモデルを機能させる原動力です。当社では、特定の分野で高い専門性を身に付けた「その道のプロ」の育成に注力しています。また働き方改革を通じ、人的生産性の向上に常に取組んでいます。(→人材戦略)[PDF]

ビジネスノウハウ
7つのカンパニーが多岐にわたる業界で事業を展開している当社には、幅広いビジネスノウハウの蓄積があります。新たなビジネスの創造や、新領域への進出の際に必要不可欠な無形資産です。

グループ企業の各種シナジー
当社グループの207社の子会社、101社の関連会社(2016年度末時点)が有する機能と当社機能の融合は、付加価値創造の可能性を大きく拡げます。

組織資産
迅速な意思決定システムに加え、法務、リスクマネジメント、会計、税務、財務等の高度な専門性を備えた職能組織が、「現場視点」で営業の「稼ぐ力」を強力にバックアップしています。

信頼・信用力
総合商社として培ってきた信頼・信用力は、お客様、投資先など、多岐にわたるバリューチェーンにおける収益力を担保します。

外的経営資源

顧客資産(販売先・仕入先)
販売先と仕入先との関係性維持は、トレードを永続的に獲得していく上で欠かせません。また、豊富な顧客資産を有しているからこそ投資のリスクも抑えることができます。

(→顧客・パートナー資産)[PDF]

パートナー資産
迅速な新規領域への展開、ビジネス成功確率の向上等の観点から、パートナーとのWin-Winの関係を重視しています。長い時間をかけて数多くの有力企業との良好な関係を築き上げてきました。

天然資源
非資源分野の強みを維持・強化する上で、特に森林資源等の有限の天然資源は、その調達の安定性がビジネスの持続性に影響を及ぼします。

社会との関係性
世界中に事業を拡大しているがゆえに、各国政府や地域社会との関係性維持・発展が事業活動の持続性に大きな影響を及ぼします。

マテリアリティとの関連性(→サステナビリティ)

環境への配慮

持続可能な資源の利用

人権の尊重・配慮

地域社会への貢献

労働環境の整備

04. 持続性の根拠
時代の変化に合わせた順応性

ポートフォリオの時間・産業分散
当社は、産業構造の変化に対応し事業ポートフォリオを柔軟に変革することで、持続的な企業発展を実現してきました。現在も将来の経済循環をにらみ、迅速に成長事業を拡大、あるいは新規事業を立ち上げることができるよう、常に人材をはじめ、一定の経営資源を幅広い領域に配置しています。

面の広がり

時代の産業構造に合わせてウェイトを変更

時代の産業構造に合わせてウェイトを変更

垂直方向への広がり

バリューチェーン構築において、知見を持ち強みが活かせる領域に進出、その他の領域はパートナーとの協業等により投下資本の効率性の向上やリスク低減を図り、ビジネス価値の最大化を目指します。(→無限にシナジーを創出し続ける「商人」たち)

一般的なプライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)と当社との相違点

事業投資を戦略上の有力な選択肢としているため、当社のビジネスモデルは、しばしばPEファンドと比較されます。主体的に経営に関与する点や投資先の企業価値最大化を図る等の点において共通点はあるものの、当社の事業投資は、自らの企業価値の向上を目指し、既存ビジネスとのシナジー創出に注力する点やトレード利益や配当を中心にリターン(キャッシュ)を享受する等の点で、違いがあると認識しています。

投資先の流動性 投資先の保有比率 投資先の保有期間 ビジネス間シナジー リターン(キャッシュ)

一般的なPEファンド

原則、非上場

原則、過半数~100%

EXITを前提に比較的長期

原則なし

キャピタルゲイン及び配当

当社

上場/非上場を問わない

業態・市場環境等に応じて個別に決定

継続保有を前提に期間は定めていない

既存ビジネスとのシナジーを創出

原則、トレード利益及び配当

05. 持続性の根拠
面的に無限にビジネスを生み出す

得意機能を発揮し、連鎖的に「面」を拡大

面的なビジネス展開の5つの視点

食糧の安定供給に向けて、穀物集荷供給拠点の整備・拡充を進めています。(写真は北米の穀物輸出施設CGB 社)

1.供給源の拡充と分散

調達に際しての地政学的、為替等のリスク分散や、供給量の拡大による競争力の強化を目的に、供給源の分散や拡充を行います。

パルプ製造事業への参画により、グローバルNo.1パルプトレーダーとしての地位を固めています。(写真はブラジルのセニブラ社)

2.生産活動への参画

競争力ある商材の開発や調達、並びに供給サイドに対するイニシアチブの獲得、利益の取込み等を目的に、川上の生産活動への参画を行います。

ブランドビジネスでは、ライセンスビジネスや中国への展開等により、収益源の拡大に繋げています。(写真はOUTDOOR PRODUCTS)

3.成功モデルの領域拡大

ある商材や地域における成功モデルを他の商材や地域に展開し、効率的かつ迅速なビジネスの創造を狙います。

(株)ファミリーマートとユニー・グループホールディングス(株)の経営統合により競争力の向上を実現しました。

4.スケールメリットの追求

経営統合等による規模の拡大を通じてオペレーションの効率化と競争力の強化を図ります。

(→無限にシナジーを創出し続ける「商人」たち)

消費者接点である(株)ファミリーマートにおいて得た情報が、バリューチェーン全体の付加価値を高めています。

5.消費者接点の獲得

消費者接点を獲得し、商流の川中、川上のビジネスへの情報の還流や、サプライチェーンの最適化等を実現し、相乗的な利益成長を狙います。

EXITによる資金回収

長期的なビジネス環境認識のもと、既存ビジネスのEXITを実行し、回収したキャッシュを新たな戦略領域に再投資することで、新たな面の創造を狙います。