事業展開で見るビジネスモデル


当社は、財務・非財務資本を活用し、「強み」を発揮できる領域を中心に面的・連鎖的にビジネスを創造することで、トレードと事業投資における収益力の拡大を目指しています。培ってきたビジネスノウハウや顧客・パートナー資産を駆使することで、付加価値の創出によるトレードの拡大や知見があるリスクコントロール可能な領域への事業投資等に繋げています。また、急激な経営環境の変化の中、タイミングを捉えた戦略投資とピークアウト・低効率事業の資産入替を着実に実行し収益基盤を強化しています。今後は、「稼ぐ、削る、防ぐ」の徹底と共に、川下を起点とする「マーケットイン」の発想に立脚した事業変革等を通じ、シナジーの最大化やビジネスのバージョンアップを図ることで、持続的な価値創造を実現していきます。

基本動作:
トレードと事業投資を通じた「面」の組成・拡大

積み上げてきた財務・非財務資本を活用し、トレードと事業投資を両輪としてビジネスを展開しています。新規トレードの獲得やシナジーの創出等により、面的・連鎖的にビジネスを創造すると共に、「稼ぐ、削る、防ぐ」の徹底や「ハンズオン経営」の実践等により、事業経営の高度化を図ることで、トレードと事業投資における収益力の拡大に取組んでいます。

経営環境の変化への対応:
資産入替の実行による強固な収益基盤の構築

経営環境の変化を的確に捉え、戦略的保有意義が薄れた資産は、資産効率やリスク管理の観点から事業再編やEXITを行い、資金の回収を図ると共に、回収した資金を新たな戦略領域に再投資することで、より強固な収益基盤を構築しています。

消費者ニーズ・社会要請への対応:
「マーケットイン」の発想によるビジネスモデルのバージョンアップ

川下起点の「マーケットイン」の発想に転換し、「商品縦割り」を打破したカンパニー間の連携強化を加速することで、消費者ニーズや社会要請に対応可能なビジネスモデルを構築します。更に、リアル・デジタルの顧客接点と新技術・データを最大限活用することで、バリューチェーンの最適化等を図り、収益力の拡大と資産効率の向上を目指します。

ビジネスモデルに関するよくあるご質問

投資家や株主の皆様をはじめとするステークホルダーからよくご質問をいただく、当社のビジネスモデルに関するポイントや事例を説明します。

Q1. 一般的なプライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)における事業投資との違いを教えてください。

主体的に経営に関与する点や投資先の企業価値最大化を図る等の点で共通点はあるものの、当社の事業投資は、当社の人材を派遣し、既存ビジネスとのシナジー創出に注力する点やトレード利益や配当を中心にリターンを享受する等の点で、違いがあると認識しています。

Q2. 一般的なコモディティ商社におけるトレードビジネスとの違いを教えてください。

総合商社にとってトレードは、伝統的かつ基本的なビジネスです。商品の売買・仲介を通じて顧客やパートナーと関係性を構築し、あらゆる商品の販売チャネルと情報ネットワークをグローバルに張り巡らせています。一般的なコモディティ商社が取組む原油・鉄鉱石等の資源や穀物等のトレードと当社のトレードでは、グローバルネットワークを通じた商品の売買や仲介を行うという共通点はあるものの、取扱商品や取引内容、ボラティリティ等の点で、違いがあると認識しています。

Q3. 経営環境の変化を捉えた資産入替の具体的な事例について教えてください。

(株)Belongのオペレーションセンター

2022年度における資産入替の事例としては、コネクシオ(株)の売却があります。コネクシオ(株)は、元々当社が取組んでいた携帯電話の代理店事業をスピンオフした事業会社であり、長きに亘り当社グループへ収益貢献してきました。しかしながら、新規携帯端末の販売台数の減少傾向等、事業環境が厳しさを増す中、2022年度に公表されたコネクシオ(株)のTOB(株式公開買付)に応じることが、コネクシオ(株)と当社双方の更なる企業価値向上に資すると判断し、戦略的な資産入替の実行に至りました。(→個別案件に関わる取締役会での議論)[PDF]

一方で、当社は、新規携帯端末の高額化やSDGsの潮流を背景にした中古携帯端末流通市場の成長を取込むべく、新たな収益基盤構築の布石として、2019年2月に(株)Belongを設立しました。(株)Belongは、自社で点検・修理・保管・配送を行うオペレーションセンターを構え、中古携帯・タブレット端末の買取り・販売を行っていますが、これまで携帯端末トレードで蓄積した知見や携帯電話の代理店事業で培ったノウハウ・サプライヤー網等が、活かされています。更に、新規端末の高額化等に伴う法人の中古携帯・タブレット端末の利用ニーズを捉えた法人向けレンタル及び買取事業に加え、タブレット端末の回収・再利用事業で協業するUber Eats Japan(同)と共に、フードデリバリー事業におけるサステナビリティ推進の取組みを開始する等、事業の多角化も進めています。