次世代3:次世代の経営体制

総合商社業界初のCEO・COO体制

当社は、2018年1月18日開催の取締役会において、同年4月1日付にて会長が最高経営責任者(CEO)を、また、社長が最高執行責任者(COO)を兼務する経営体制に移行し、岡藤前社長を会長CEO、鈴木前情報・金融カンパニープレジデントを社長COOとすることを決議しました。

岡藤会長CEOは最高経営責任者として引続き、主要事業会社やグループ全体の経営戦略及び経営計画の策定、また、重要客先との関係の維持を担い、鈴木社長COOはその経営戦略・経営計画に基づき執行全般を統括、特に情報・通信分野における深い知見と幅広い経験を活かし、オールドエコノミーから脱却して新しいビジネスモデルを創造し、「商いの次世代化」を進めていくことに注力します。当社にとっては8年ぶりの社長交代で、また、CEO・COO体制は総合商社業界において初めての試みであり、上記取締役会に先立ち、取締役会の任意諮問委員会であるガバナンス・報酬委員会での議論に加えて、指名委員会を計5回開催し、十分な検討を行いました。

経営の継続性と次世代対応を両立

当社の業績は最高益を連続して更新し続けており、株価も最高値を更新、格付も約20年ぶりにムーディーズA格を取得し、主要な格付機関4社すべてからA格以上を取得したことに加えて、働き方改革でも産業界や政財界から高い評価を得ています。一方で、CITICとのシナジー創出といった課題や、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)をはじめとする当社グループの一体経営といった点も考慮する必要性があります。更に、株式市場は岡藤前社長の経営手腕を高く評価していることから、前社長がCEOを譲ることにより社長後継を一気に進めた場合、当社の株価にも大きな影響が生じる懸念があります。これらの状況も踏まえ、当初、指名委員会では「経営の継続性を重視すべきであり、現段階での体制変更は不要」との強い続投要請の意見がありました。しかしながら、岡藤前社長からは、世界ではAIやIoTといった次世代・新技術により全く違う規模とスピードで変化が起きており、総合商社のビジネスモデルは近々行き詰まる可能性があるとの強い危機感のもと、急激に変化する世の中に対応してビジネスモデルを進化・創造していくためには新しい経営体制で臨まなければならないとの強い意向がありました。議論を重ねた結果、経営の継続性と世の中の急激な変化への対応の双方を満たす体制を採用すべきであるとの結論となり、今般の社長交代及び役員人事に至りました。

近年の急速な技術革新によって、短期間で市場が大きく変化することを見据え、新体制のもとで新中期経営計画「Brand-new Deal 2020」を推進し、新しい商社のビジネスモデルを構築すると共に、持続的成長企業を目指します。

指名委員会 新旧委員長からのコメント

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2017年度 指名委員会委員長
川北 力

今般の役員人事については、経営陣幹部の選任が会社における非常に重要な戦略的意思決定であることを踏まえ、より客観性・透明性の高い審議プロセスとするように努めました。指名委員会ではかねてより後継者計画につき議論を行ってまいりましたが、社長のあるべき姿について何度も議論を重ね、社長交代の是非について前社長を除いたメンバーで議論を行ったこともあります。また、社外役員による経営陣幹部との面談も行い、現状の課題や将来の方向性等についての考えを聞く機会も設けました。新体制は新中期経営計画における当社の目指す姿を実現するために最善の体制であり、株主の皆様の期待に十二分に応えることを確信しております。

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2017年度 指名委員会委員
2018年度 指名委員会委員長
望月 晴文

指名委員会の委員として、審議プロセスの客観性・透明性を高めるために、川北委員長が講じた工夫を高く評価しており、当社の後継者計画は大きく進化したものと考えております。株主総会後、指名委員会の新委員長を務めることになりましたが、新たな商社像を確立するとの新中期経営計画の目標を確実に達成すべく、また、新中期経営計画期間中のみならず、将来に亘る当社の持続的成長を目指し、公正で透明性の高い手続きにて指名委員会を運営し、後継者計画の監督をしっかり行いたいと考えております。