衣・食・住の「住」、住まいと暮らしを中心とした生活消費分野において、多様な価値創造を通じて人々の豊かなライフスタイルに貢献しています。

北米建材分野は安定した人口増加を背景に底堅い成長が維持できる業界と位置付けています。経営一元化の実現のため、ITOCHU Building Products Holdings社を北米建材関連事業のホールディング会社として設立し、傘下のフェンス事業の更なる拡大だけでなく、他の建材分野への進出も目指します。また、単板製造業CIPA LUMBER社、単板積層材製造業Pacific Woodtech社を大手建材メーカーである大建工業（株）と共同経営しており、今後は長年に亘り蓄積した伊藤忠の知見に加え、大建工業（株）の製造ノウハウも導入しながら、より一層の収益力強化・企業価値向上を目指していきます。

紙・パルプ分野では、アジア・ヨーロッパ・北米に構築されたパルプ販売ネットワークを基盤に、グローバル・パルプトレーダーとしての地位を一層堅固なものとし、紙パルプ事業の更なる強化を推進しています。2012年に出資した世界最大級のフィンランド針葉樹パルプメーカーMETSA FIBRE OY（MF社）は、世界で拡大するパルプ需要に応えるべく、2017年の増産に続き、2023年にも増産を実行致しました。伊藤忠は主としてアジア市場でパルプを販売し、MF社のプレゼンス向上に寄与して参ります。従来の紙製品、衛生材料に加え、セルロースナノファイバーや環境を意識した木質系新素材にも着目し、新技術のマーケット投入に向けて準備を進めております。

ゴム・タイヤ分野では、東南アジアにおける総合商社最大級の天然ゴム加工事業から、タイヤ卸・小売事業に至る強固なグローバル・バリューチェーンを構築しています。特に タイヤ事業では、戦略的地域である英国において、タイヤ小売業界のリーディングカンパニーであるKwik-Fit社を運営し、更なる販売ネットワークの強化を進めております。また、2021年にMurfitts Group Ltdを傘下に加え、廃タイヤ回収による廃棄物の削減や、リサイクル製品の販売を通してタイヤサプライチェーン全体のサステナビリティへの貢献を目指しております。

巨大なEC企業の台頭による流通構造の変化、進行するドライバー・トラック不足といった物流環境変化に伴い、新しいサプライチェーンの形を求める業界ニーズが高まっております。総合商社の強みを生かし、単なる「保管」や「輸送」といった従来の個別の運営サービスにとどまらず、業界における共同物流ネットワーク構築など、業界全体の課題解決を行うサプライチェーンの新しいネットワーク構築事業に着手しました。

物流運営事業については、中核事業会社である伊藤忠ロジスティクス株式会社が、陸・海・空の物流機能・幅広い国内/海外自社ネットワーク・経験豊かな現場物流運営ノウハウに加えて商流機能等の付加価値も組み合わせた、高品質のワンストップ物流サービスを国内外の幅広い分野のお客様に提供しております。
中国においては、日系最大規模の3PL事業を展開しており、伊藤忠物流（中国）有限公司が、化粧品・アパレル・日用雑貨等のリテール/Eコマース分野や自動車関連分野を中心に、中国全土をカバーするネットワークを基盤として、きめ細やかな物流オペレーションを提供しております。
アセアン・西アジアにおいても、PT.ILC LOGISTICS INDONESIA(インドネシア)やIP Integrated Services Private Limited(インド)といった3PL企業をグループ内に持ち、新興市場における物流運営サービスを展開しています。