対話と企業価値向上のポジティブサイクル

当社は、持続的成長と中長期的な企業価値向上の観点から、株主・投資家の皆様をはじめとするステークホルダーとの対話を重視しています。市場の期待に十分に応えていなかった「Brand-newDeal2020」公表後の株価下落による反省と教訓を契機として、決算説明会、株主総会、個別面談等を通じていただいた貴重なご意見を、当社の経営戦略や、財務・資本政策等に反映し、コミットメント経営の実践を通じて企業価値の向上に繋げることでポジティブサイクルを回し続ける、実効性あるエンゲージメントに努めています。

POSITIVE CYCLE

株主・投資家の皆様の声の具体例

株主・投資家の皆様の声の具体例

対話を通じて打ち出した当社施策の具体例

対話を通じて打ち出した当社施策の具体例

対話を通じて今後当社が提示すべきと認識している課題等

対話を通じて今後当社が提示すべきと認識している課題等

「Brand-new Deal 2020」公表後の当社株価のTOPIX対比パフォーマンス*

「Brand-new Deal 2020」公表後の当社株価のTOPIX対比パフォーマンス*

着実に前進、次世代化へ殻を破れるか

[成田 康浩]
野村證券㈱
エクイティ・リサーチ部
マネージング・ディレクター
成田 康浩
1998年、野村證券㈱に入社。運輸、陸運、住宅設備機器セクター担当を経て、2006年より商社セクター担当。2015年より現職。

商社の事業モデルはトレード型から事業投資型へと変化し、近年では投資先事業への積極的な関与により事業価値を高める戦略へと変遷している。商社セクターでは大型投資や総花的な投資で低収益化に苦しむ投資案件が散見されるが、伊藤忠は強みである生活消費分野への注力に加え、徹底したコスト管理等による投資先の収益性へのこだわりもあり、着実な利益成長や相対的に高い収益性を実現している。IT技術の発展は、商社にとって新規事業創出の好機でもある反面、既存事業の陳腐化等、危機ともなり得る。伊藤忠が掲げる消費者ニーズに対応した事業の次世代化や、CITICへの投資をてことした中国の巨大な内需の取り込みは課題だが、成長機会でもあり注目したい。

もうはまだなり

[森本 晃]
SMBC日興証券㈱
株式調査部
シニアアナリスト
森本 晃
2007年、モルガン・スタンレー証券㈱(現モルガン・スタンレー MUFG証券㈱)に入社。約5年間鉄鋼セクターに配属後、2012年より商社セクターを担当。2013年より現職。

株式市場との対話という点では、真摯に耳を傾ける経営陣の姿勢を高く評価している。但し、短期では自己株式取得の完遂、中長期ではCITICとのシナジー創出を含めた成長戦略、気候変動に対する更なる打ち手等、乗り越えるべき課題を残す。特にCITICはキャッシュ・リターンが低いが故に、株式市場からのディスカウント要因と言えるだろう。弊社では現時点で2025年3月期は高ROEを維持できるとの見方だが、ROEの更なる高みを目指した「期待値+α」の経営に期待したい。成長の観点で解を提示できれば、商社の枠組みを超えた株価評価へ目線を変えられるかも知れない。