環境問題を商機として捉える

当社は、グループ企業理念「三方よし」に基づき、収益力の維持・向上を担保しつつ、多岐にわたる商品・サービスの提供及び新規ビジネスの創出や、機動的な資産入替等を積極的に推進することにより、人口の爆発的増加や気候変動等の社会課題の解決を図っていく方針です。

特に環境問題の解決を「機会」として捉えており、蓄積した当社ならではのビジネスノウハウを活かし、環境ビジネスを拡大・積極推進していく方針です。

インフラ事業による環境・社会課題の解決を通じた持続的な企業価値向上を目指して

当社は、環境・再生可能エネルギー事業を注力分野の一つとして位置付け、都市環境整備、温暖化ガス削減に寄与するプロジェクトをグローバルに展開しています。特に、社会の持続的発展に貢献する環境保全型ビジネスとして、廃棄物処理発電事業及び水関連事業を早期より積極的に推進し、ビジネスノウハウを蓄積してきました。

当社は、英国における廃棄物処理規制の厳格化を契機に、2002年より英国での廃棄物処理発電市場に参入して以降、2020年現在までに4つの廃棄物処理発電施設を建設・運営しており、同国で焼却される廃棄物の約15%の処理を担っています。英国で蓄積したビジネスノウハウや強力なパートナーシップを活かし、他地域へも事業を拡大しています。2017年にはセルビア共和国ベオグラード市において、同国初となる大型PPP(官民連携)廃棄物処理発電事業に、水・環境インフラ大手の仏国スエズ社と共同で参画しています。このプロジェクトは、深刻な環境被害をもたらしている巨大な旧式埋立場の閉鎖・管理を通じて、環境・社会問題を解決に導くと共に、ベオグラード市で排出される一般廃棄物量の約7割の処理を担う廃棄物処理発電施設の新設・運営を行い、廃棄物を焼却処理する際に生じる余熱を活用して、約3万軒の国内家庭消費に相当する電力供給や熱供給を行うものです。

廃棄物処理発電事業における循環の仕組

また、人口増加や気候変動の影響等を背景に需要拡大が見込まれる水関連ビジネスについても、当社は上下水道事業や海水淡水化事業を通じて、高品質かつ持続可能で経済的な水道サービスを提供しています。2012年に日本企業として初めて英国水道事業への参入を果たし、2014年にはスペイン・カナリア諸島における上下水道事業に参画、そして海水淡水化事業については、従来の水処理設備や機器の販売に加え、2009年に豪州ヴィクトリア州及び2016年にオマーン海水淡水化事業に参画する等、蓄積したビジネスノウハウを更に磨き続けることで、強みに変えてきました。オマーン最大の造水能力を有するバルカ海水 淡水化プラントは、2018年より商業運転を開始し、生活用水の安定供給において重要な役割を果たしています。各国の安全かつ経済的な水資源確保への貢献を通じて商機を拡げています。

今後も、社会から必要とされるインフラ事業に取組み、循環型社会及び持続可能な資源利用を実現することで、地球環境保全や社会課題の解決を図りながら、持続的な企業価値向上を目指していく考えです。