コーポレート・ガバナンス体制進化の変遷

新たなグループ企業理念「三方よし」のもと、経済的価値と社会的価値の持続的な拡大を支える基盤として、実効性と透明性のあるガバナンス体制の継続的な進化を図っています。

企業価値向上を強く意識した実効性ある組織・制度設計

持続的な企業価値向上(1)
持続的な企業価値向上(2)

社外取締役からのメッセージ

企業価値の長期的な向上を目指して

村木厚子
社外取締役
村木厚子
厚生労働事務次官等を経て、2016年6月に当社取締役就任。2019年度はガバナンス・報酬委員会の委員長を務め、役員報酬等に関する議論を主導。また、内部統制・コンプライアンス、人材活用や組織活性化の分野における数多くの有益な提言等を行っている。

当社の社外取締役に就任して以来、ガバナンス・報酬委員会の委員として、更に2018年度及び2019年度は同委員会の委員長として、当社のガバナンスの変遷に深く関与し、社外役員としての役割を担ってきました。その間、「モニタリング重視型」取締役会への移行という大きな取締役会改革が行われ、その後、社外取締役比率は40%にまで上昇する等、当社のガバナンス体制の実効性は年々着実に向上しています。

ガバナンス・報酬委員会における審議の主要な項目の一つである役員報酬制度については、各役員がそれぞれの業績に対する責任を果たした結果が報酬に反映されるため、株主をはじめとするステークホルダーの信頼にも応え得るものと考えています。

ガバナンスの進化にはゴールはなく、目まぐるしく変化する外部環境に応じ、不断の見直しと、より優れた体制構築を追求することが求められます。2020年度は、指名委員会の委員長として、当社にとってのガバナンスの重要課題の一つである後継者計画の検討や、役員人事に関する審議を通じて、当社のガバナンス体制のより一層の強化に貢献し、当社の企業価値向上に役立っていきたいと考えています。

意思決定の透明性の確保向上に向けて

望月晴文
社外取締役
望月晴文
経済産業事務次官を経て、2014年6月に当社監査役、2017年6月に当社取締役就任。2019年度は指名委員会の委員長を務め、経営陣幹部の選解任や後継者計画について実質的な議論を主導。また、内部統制・コンプライアンスや次世代ビジネスを含む幅広い視点から数多くの有益な提言等を行っている。

経営判断においては常に複数の選択肢・方向性が存在しますが、ガバナンスにおける社外取締役の重要な役割は、客観的・俯瞰的な視点より、様々な可能性や付随するリスク等の必要な要素が網羅的に検証されているかを見極め、経営陣に意見することだと考えています。バリエーションに富んだ社外役員のバックグラウンドや専門知識に基づく率直な意見と経営陣の“ 聴く姿勢”とが両輪となることで、当社の意思決定の透明性や公正性の確保と向上を生み出し、より良い経営に繋がっていると確信しています。

当社のガバナンスの実効性の維持や更なる向上を目指すための重要な課題の一つとして、経営陣の後継者計画があります。私が2018年度から2年間委員長を務めた「指名委員会」では、定期的に後継者計画についての議論を行うこととしており、果断な判断を迫られる経営者としての「あるべき姿」や後継者の育成方針等につき、活発な議論がなされています。2019年度においては、社外の委員のみでの議論の場を設ける等の機動的な運営を通じて、より実質的な議論の充実を図りました。

ガバナンス実効性の更なる向上に向けて

中森真紀子
社外取締役
中森真紀子
主に公認会計士としての財務及び会計に関する高度な専門知識と豊富な企業経営者としての経験を持つ。2019年6月に当社取締役就任。2019年度はガバナンス・報酬委員会の委員を務め、当社のガバナンスの更なる進化に貢献。また、内部統制・コンプライアンスや次世代ビジネスの分野において専門知識・経験を活かして数多くの有益な提言等を行っている。

当社の社外取締役に就任して1年が経過しましたが、当社のガバナンス体制が形式面だけでなく実質面でも機能していることを実感する局面が多々ありました。取締役会や各種説明会、意見交換の場において、活発かつ有意義な議論が展開されている背景には、まず第一に社内側のオープンで率直な議事運営が挙げられます。重要な審議事項について、経営陣からは社外役員に対しても「本音」が語られており、社外からの闊達な意見を受け入れる姿勢も示されることが、建設的な議論へと繋がっていると考えています。また、ビジネスに直接関与していない社外役員として、本質的な意見を述べるためには、多岐にわたる商社ビジネスへの深い理解が不可欠となりますが、当社では、毎回の取締役会の事前ブリーフィングや国内外の事業視察、各種説明会の機会が設けられ、ポイントをついた的確な説明を受けることが可能となっています。

既成概念に囚われないスピード感を持った意思決定等、経営環境の大きな変化にも対応可能な強い武器を持つ当社の経営に直接関与しながら、より健全な経営体制の保持という観点で、社外取締役としての牽制・監督機能を発揮していきたいと考えています。