再保険事業への参画について

2009年12月22日

伊藤忠商事株式会社(以下「伊藤忠商事」)は、2008年4月に英領バミューダに設立された再保険ファンド運用会社であるJUNIPERUS CAPITAL HOLDING LIMITED(以下「JUNIPERUS社」)に、2009年12月17日に出資参画しました。JUNIPERUS社は、資産運用会社(※1)及び再保険会社を子会社に抱え、また世界最大手の再保険ブローカー会社であるエーオン・ベンフィールド社(以下「Aon Benfield社」※2)が設立スポンサーの一社です。

JUNIPERUS社は、資産運用会社の形態をとることで金融市場の投資家より預かった資本を、主に再保険事業に活用します。同社が提供する再保険は、大きな自然災害(台風・地震・津波など)により広範囲にわたり建造物や財物に損害が出た場合、また航空機や巨大船舶などの大事故損害が発生した際に、保険会社や行政府などに発生する巨額な補償金支払いリスクを担保しています。JUNIPERUS社は、再保険業界で長い経験を持つ高度な専門家を運用チームに持ち、再保険事業形態を先進的に展開させることによって設立以来高いパフォーマンスを上げており、昨年来の金融危機の影響も受けず、現在も想定以上のリターンを継続しています。

アジアでは経済と都市化の発展に伴い、各国地域の保険市場が拡大を続けています。また最近では、世界的にも自然災害の発生パターンに変化も見られ、一自然災害が巨大化する傾向があります。そのため、中長期的には各国の行政機関、インフラ企業、保険会社において、大災害リスクに備えるための再保険ニーズが更に高まると思われます。

伊藤忠商事は30年以上にわたる保険ブローカー事業(ロイズブローカーのライセンスも保有)と金融市場関連事業(資産運用事業、証券事業)の経験とノウハウを活かし、本事業に参入することを決定しました。今後はAon Benfield社との関係を深めることや、今回の出資を通してJUNIPERUS社の持つ再保険提供力と金融商品力との連携を深め、近い将来、日本・アジア地域において更に高まると思われる大災害リスクに対する再保険ニーズや、金融市場における新たな投資家ニーズに対応します。

  • (参考:再保険について)
  • 保険会社(保険)の保険です。一般的な再保険は、保険会社自らが抱える保険責任の一部もしくは全部を再保険会社に引受けてもらうために、条件を取り決め契約し、再保険料の支払いをもって購入するものです。
  • ※1 資産運用会社 JUNIPERUS CAPITAL(ジュニペラス・キャピタル)社について
  • 2008年4月に英領バミューダに設立され、伝統的な再保険取引に資本市場の金融手法を活用することにより再保険を投資対象とする資産運用会社です。
  • 代表者 : Philip A Lotz, Chief Executive Officer
  • URL : http://www.juniperuscapital.com/[別ウインドウで開きます]
  • ※2 エーオン・ベンフィールド社について
  • 2008年12月にエーオン・リー・グローバル社と、ベンフィールド社の合併により誕生した世界最大手の再保険ブローカーでありキャピタルアドバイザー会社です。
  • 代表者 : Andrew Appel, Chief Executive Officer
  • URL : http://www.aon.com/reinsurance/default.jsp[別ウインドウで開きます]