会長CEO挨拶
代表取締役会長CEOの岡藤正広です。
4月3日に、経営方針および2024年度の経営計画を公表いたしました。
2011年から始まり5回にわたり策定・実行してきた中期経営計画『Brand-new Deal』を通じ、着実に収益ステージを引き上げ安定した財務基盤を構築すると共に、定性面でも常に先進的な取組みを推進してまいりました。今後更なる進化に向けてこれまでの実績を総括した上で、伊藤忠の行き先を示す羅針盤となる経営方針『The Brand-new Deal』を掲げました。
変化の激しい時代にも、歩みを止めることなく企業価値を持続的に向上するため、「業績の向上」、「企業ブランド価値の向上」、「株主還元」を3つの柱としました。同時に、経営計画については最新の経営状況を反映しながら精度の高い計画を1年単位で練り上げ、毎年確実に達成することで成長を示し、一歩一歩階段を上っていく考えです。
経営方針のテーマは、「利は川下にあり」です。社会の変化に伴いお客様のニーズは多様化しており、これまでのビジネスモデルだけでは通用せず、利益を生み出すための手がかりは常に「川下」にあると考えます。私たちは160年超の歴史の原点である、より消費者に近い川下ビジネスの強みを進化させ、事業領域を拡大してまいります。また川上・川中分野においてもこれまで築き上げた資産・ノウハウを駆使し、川下を「起点」としたアプローチで当社らしいビジネスを伸長していきます。
定性面の取組みにおいても、私たちは常に皆様の声に耳を傾け、「マーケットインの発想」に基づいて向かうべき目標を設定し、具体的な施策を地道に推進してまいります。市場・社会からの評価に真摯に向き合うことが、信頼の構築、そして企業ブランド価値の向上に繋がり、更にはビジネスにも相乗効果をもたらすものと考えています。
今回掲げた経営方針の下、全社員が商人の真髄である「マーケティング力」に磨きをかけ、商いの創造に向かって走り出しました。これまでの成長を支えてきた「稼ぐ、削る、防ぐ」、「マーケットインの発想」といった基本的な考え方はこれからも不変であり、築き上げた強固な基盤を足掛かりに、グループ一丸となって、更なる挑戦をしていく所存です。
2024年度の経営計画については、連結純利益は8,000億円のステージから力強い右肩上がりの成長を示す水準として、過去最高の8,800億円としました。また当社の強みである、経営の効率性を示すROEは、依然一桁水準に止まる日本の上場企業平均を大きく上回り、商社最高水準である16%としています。
「投資なくして成長なし」の旗印の下、成長投資に舵を切り、前中計期間での余資も含めて1兆円を上限に投資を促進し、業績の持続的向上のために着実に手を打ってまいります。
最後に、株主の皆様への還元ですが、2024年度には40円の増配を実施して1株当たり200円を下限とし、総還元性向は50%を目途とする株主還元の拡大を予定しております。これからも、持続的な成長と株主還元の拡充を同時に実現していきます。
今後も何卒変わらぬご支援とご鞭撻を賜りたくよろしくお願い申し上げます。
代表取締役会長CEO 岡藤 正広
2024年4月3日