アゼルバイジャン共和国 カスピ海ACG鉱区での新規開発決定について
-新たに原油生産プラットフォーム建設へ-
2010年3月9日
伊藤忠商事株式会社(以下「伊藤忠商事」)は、子会社ITOCHU Oil Exploration (Azerbaijan) Inc.(伊藤忠商事100%)を通じてアゼルバイジャン共和国領カスピ海海域ACG鉱区における原油の開発・生産事業に参画しています。
本日3月9日、伊藤忠商事を含むパートナー各社及びアゼルバイジャン国営石油会社(SOCAR)は、同鉱区内の更なる原油生産量の増加を見込むチラグ・オイル・プロジェクトへの投資を決定し、同日アゼルバイジャン・バクー市にてプロジェクト最終承認の調印をいたしました。
チラグ・オイル・プロジェクトは、新たな生産プラットフォームを建設し、2013年末の生産開始を目指し、総額60億米ドルを投じる計画で、約3億6000万バレルの追加原油生産を見込んでいます。本プラットフォームで生産された原油は、同鉱区内で既に稼動中のプラットフォーム5基より生産されている原油とともに、アゼルバイジャン・バクー近郊のサンガチャルターミナルに送油され、ここを起点とし、グルジア・トビリシを経由し、トルコ・ジェイハン(地中海沿岸)に至るBTC(Baku-Tbilisi-Ceyhan)パイプライン等により輸出される予定です。
ACG鉱区ではこれまでの開発により日量約85万バレルの原油生産がされていますが、チラグ・オイル・プロジェクトは当社の生産量の更なる拡大に大きく貢献するものとなります。
伊藤忠商事は1996年に本油田権益3.9205%を取得、日本企業としては初めてアゼルバイジャンに事務所を開設しました。尚、他の日本企業としては、国際石油開発帝石(株)も本事業に参加しています。
補足説明
①ACG鉱区(生産分与契約)の概要
ACG鉱区は、アゼルバイジャン共和国領カスピ海海域に位置し、面積は、432.4km2、グナシリ油田深海部は、同国首都のバクー市の東約100kmに位置し、水深約175mにあります。ACG鉱区は、アゼリ油田、チラグ油田、グナシリ油田の3油田により構成されており、可採埋蔵量は50億バレル強となっています。本鉱区の生産分与契約は、1994年に締結されており、現契約は2024年まで続きます。
②参加の経緯及びパートナーの概要
伊藤忠商事の子会社であるItochu Oil Exploration (Azerbaijan) Inc. は、1996年に本鉱区の参加権益3.9205%を取得しました。本鉱区の参加権益保有者は、同社のほか、オペレーターのBP社(34.1%)、Chevron社(10.3%)、アゼルバイジャン国営石油会社SOCAR(10%)、国際石油開発帝石(株)(10.0%)、Statoil Hydro社(8.6%)、ExxonMobil社(8%)、TPAO社(6.8%)、Devon社(5.6%)、及びHess社(2.7%)となっています。
③BTCパイプライン
アゼルバイジャン共和国バクーからグルジア・トビリシを経由し、地中海に面するトルコ共和国ジェイハンに至る総延長1,768kmの新規原油パイプラインで、通油能力は、日量100万バレルとなっています。2006年6月には、ジェイハンから原油の初出荷が行われています。伊藤忠商事は、アゼルバイジャンACG鉱区生産原油の搬出路確保を目的として、子会社Itochu Oil Exploration(BTC)Inc. を通じて、本パイプラインの建設・操業の事業主体であるBTC Co.に3.4%の出資シェアで参加しています。