フィリピンにおけるバイオエタノール製造・発電事業について

2010年4月8日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岡藤正広、以下「伊藤忠商事」)および日揮株式会社(横浜本社:横浜市西区、代表取締役会長兼CEO:竹内敬介、以下「日揮」)は、フィリピン事業パートナーと共同で、フィリピン最大級のバイオエタノール製造、および電力供給事業に参画いたします。事業の概要は以下の通りです。

1.事業概要 サトウキビを原料とするバイオエタノール(54,000kl/年)の製造・販売事業、およびサトウキビ残渣(バガス)を燃料とする火力発電(最大19MW)による電力販売事業
2.事業場所 フィリピン共和国ルソン島イザベラ州(マニラより北へ約400km)
3.事業者 伊藤忠商事および日揮を主体にフィリピン事業パートナーも加えた出資者にて設立される新事業会社GREEN FUTURE INNOVATIONS, Inc.(GFII社)
4.販売開始時期 2012年2月
5.事業背景 フィリピンでは2009年2月にBio-Act-Lawが施行され、自動車用ガソリンにバイオエタノールを現行で5%混合することが義務化されており、2011年には10%を混合することが義務化される見込みです。また、バイオエタノール利用に際しては国内産の優先使用が義務付けられています。しかしながら、現在の同国内バイオエタノール生産量は必要量を大幅に下回る状況にあります。

伊藤忠商事および日揮は、数年前より同国内バイオエタノール事業に関する基本スキームの構築を開始しました。その後、サトウキビ農地の確保(11,000Ha)および収穫計画、製造プラント設備、プロジェクトファイナンス構築、販売先の確保など事業の詳細検討を続け、このたび新事業会社GFII社を設立し、事業の最終投資決定に至りました。

本件はフィリピン最大規模のエタノール製造設備となります。また、同国では2010年内に新エネルギー発電法が施行され、各種再生可能エネルギーによる電力供給を優遇する制度が準備されています。バガスを燃料とする電力は同国において再生可能エネルギーとして認定されることから、本エタノール製造設備にバガス燃料による発電設備を併設し、余剰電力の外販も実施します。

本事業で使用するサトウキビの栽培により、現地では約3,000世帯の継続的な雇用創出が期待されるとともに、バガス発電は同国の環境負荷低減につながり、同国の電力不足解消の一助となります。