リチウムイオン電池用負極材の米国展開について

2010年7月15日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岡藤正広、以下「伊藤忠商事」)、株式会社クレハ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:岩﨑隆夫、以下「クレハ」)、及びEnerDel社(本社:米国インディアナ州、代表者(President)Richard L.Stanley、以下「EnerDel」)は、今後世界で大きく成長が見込まれるリチウムイオン電池(以下「LiB」)用の負極材製造プラントの設計業務を開始することに合意しました。現在クレハがいわき事業所にて生産する『カーボトロンP』を米国大手LiB製造メーカーであるEnerDelに供給するため、米国で2013年初めに稼動する新設プラントの第1期工事に係る設計業務を米国エンジニアリング会社と開始しました。米国で新設するプラント及び製造・販売を含む運営体制等の詳細については、決まり次第お知らせします。

伊藤忠商事は、中期経営計画Frontiere2010において、環境・新エネルギーに注力、中でも「蓄電池」分野を重点取組み分野と位置づけています。今後、大型定置用蓄電池及び車載電池の需要拡大が見込まれる米国においては、Ener1(NASDAQ上場)への出資、シンボルマイニング社への出資によるリチウム資源確保、戸田工業株式会社とのLiB用正極材生産・販売合弁会社の設立などによりLiB関連事業の拡大を目指しております。以上の取組みを中心として、上流のリチウム資源確保から、リチウムイオン電池販売、二次利用まで展開を進め、電力貯蔵・蓄電池関連のバリューチェーン構築を積極的に行っていきます。

EnerDelは、Ener1の100%子会社でOEMレベルの車載用LiBシステムを製造できる電池メーカーです。米国内で唯一、セルから電池システムまで一貫して開発・製造できる量産設備を持ち、既にノルウェーのTHINK社、スウェーデンのVolvo社へ電池システムの供給が決まっております。また中国の最大手自動車部品メーカーWanxiang(万向集団)と共同でEV用電池システムの開発・生産する合弁会社設立の作業に入っております。

今回、米国において伊藤忠商事、クレハがEnerDel向けに協働して負極材事業を進めることは、今後急速な拡大が予想されるLiB市場にタイムリーに対応できる体制づくりの第一歩となるものと認識しています。