食品中間流通事業の強化に向けた協議開始について

2010年9月29日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:岡藤正広、以下「伊藤忠商事」)と、伊藤忠商事子会社である株式会社日本アクセス(本社:東京都世田谷区、代表取締役:田中茂治、以下「日本アクセス」)、ファミリーコーポレーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:黒澤洵吉、以下「FC」)、伊藤忠フレッシュ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:原修、以下「伊藤忠フレッシュ」)及びユニバーサルフード株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役:山根明、以下「ユニバーサルフード」また、日本アクセス、FC、伊藤忠フレッシュ及びユニバーサルフードを併せて、以下「事業再編当事者」)は、食品中間流通事業の強化に向けて、日本アクセスを基軸とした事業再編(以下「本事業再編」)の協議を開始することに合意致しましたので、お知らせいたします。

1. 事業再編の背景及び目的

伊藤忠商事は、2009年度から2010年度までの2ヵ年の中期経営計画「Frontiere2010 ~ 世界企業を目指し、未来を創る ~ 」において、「収益基盤の拡充」を重点施策のひとつとして掲げております。伊藤忠商事の強みの一つである生活消費関連の食品・食料分野においては、食料資源の開発から、原料供給、製造加工、中間流通、リテールまでを有機的に結びつけ、生産・流通・販売の高度なバリューチェーンを構築するSIS(Strategic Integrated System:戦略的統合システム)戦略を基本戦略として事業展開をしております。

一方、事業再編当事者は、食品中間流通業界において、それぞれが各分野におけるリーディングカンパニーとして事業経営を進めて参りました。
日本アクセスは、アイスクリーム類の卸売販売を目的として1952年10月に雪印乳業の子会社として設立され、現在は、冷凍・冷蔵・常温の全温度帯に対応する物流網を日本全国に保有し、GMS、食品スーパー、コンビニエンスストア、生協、ドラッグストア、ホームセンター、外食等多岐に渡る取引先に商品とサービスを提供する、業界でトップクラスの総合食品卸売会社であり、伊藤忠商事の中間流通事業における中核子会社です。
FCは、1988年3月に設立後、現在は大手コンビニエンスストア向けの物流サービスを中心に、幅広い物流サービスを提供する、食品流通の分野ではトップクラスの規模と機能を有する3PL物流会社です。
伊藤忠フレッシュは、1980年ヤイズ水産として設立後、1998年10月に伊藤忠グループの生鮮三品を取扱う事業会社6社が統合して発足。現在は、水産物、農産物、畜産物の各分野における加工機能を備えた生鮮食材分野の総合販売会社です。
ユニバーサルフードは、1999年3月設立後、外食・給食企業に対して、商流、物流、情報システムや商品開発、食品安全管理といった機能を総合的に提供しており、外食・給食分野では業界屈指の中間流通会社です。

国内食品流通市場は、人口の緩やかな減少及び少子高齢化の進展、および一昨年来の景気悪化に伴う個人消費の低迷によって、流通業界の経営環境は一層厳しさを増しており、このような経営環境の中で、食品製造業分野及び小売業分野での競争は激化し、再編、淘汰、グループ化、グローバル化など、めまぐるしい変化が続いております。中間流通事業分野においても、規模の拡大や機能強化等による競争力強化を目的とした再編が進行しており、今後は従来にも増して、その機能を多様化、広域化、高度化していく必要があると考えています。

伊藤忠商事のSIS戦略において、バリューチェーンの軸となるのは中間流通事業分野であり、グループ全体の企業価値の一層の向上を図るために、伊藤忠商事グループが更に一体となった戦略推進を可能にする体制を構築し、各社それぞれが保有する経営資源を一層緊密かつ有効に活用すべく、事業再編を実行することが必要であると考えております。

2. 本事業再編により期待される効果

現段階では、以下の項目が期待される効果と考えております。

  1. お取引先様の満足度向上
    本事業再編によって、伊藤忠商事中間流通事業における「物流分野」及び「生鮮分野」の強化を想定しております。お取引先様に対して、「ローコストで高品質のロジスティックス」を提供すると共に、生鮮品も含めたあらゆるカテゴリーの商品を品揃えし、「食の総合マーチャンダイジング」の提供が可能となります。
    また、食品製造業分野のお取引先様に対しては、より多くの小売・外食向け「販売チャネル」を提供し、効率化と更なるビジネスチャンスを生むものと考えております。
  2. 伊藤忠商事中間流通事業の収益拡大
    本事業再編によって、事業再編当事者における経営・営業管理業務、情報システム関連業務、物流業務、食品安全管理業務などの最適配置を行うことで、伊藤忠商事中間流通事業全体の合理化・効率化が進むと考えており、その結果、中間流通事業の収益拡大に繋がると考えております。
  3. 伊藤忠商事中間流通事業の海外展開の加速
    本事業再編によって、従来事業再編当事者が個別に行っていた海外展開に関しても、総合的なマーチャンダイジングと、ローコストで高品質なロジスティックスを伊藤忠商事が主導的に一元管理することにより、特に成長市場である中国、アジアに対する中間流通事業展開の加速が進むものと考えております。

3. 本事業再編に関する協議

今後、伊藤忠商事及び事業再編当事者は、本事業再編の手法、条件並びに本事業再編後の事業再編当事者の事業運営及び事業展開等についての具体的な協議及び検討を行うため、事業再編検討委員会及びプロジェクトチームを設置し、2011年3月までの合意を目指し協議を行う予定です。

4. 事業再編当時者の概要

日本アクセス 会社概要 (2010年3月31日現在)

商号 株式会社 日本アクセス
事業内容 食品卸売業
設立年月日 1952年10月1日
所在地 東京都世田谷区池尻三丁目1番3号
代表者 代表取締役社長 田中 茂治
売上高 約1兆3,606億円(連結ベース)
資本金 26.2億円

主要株主

(2010年8月31日現在)

伊藤忠商事株式会社(93.6%)、雪印乳業株式会社(6.4%)
従業員 3,066名(連結ベース)

FC 会社概要 (2010年3月31日現在)

商号 ファミリーコーポレーション 株式会社
事業内容 食品関連の物流業務受託およびセンター運営業
設立年月日 1988年3月31日
所在地 東京都文京区小石川一丁目4番1号
代表者 代表取締役社長 黒澤 洵吉
売上高 約703億円
資本金 30億円
主要株主

伊藤忠商事株式会社(95%)、株式会社日本アクセス(2%)

伊藤忠食糧販売株式会社(1%)、ユニバーサルフード株式会社(1%)

伊藤忠ライス株式会社(1%)
従業員 227名(臨時従業員、アルバイトおよびパート含む)

伊藤忠フレッシュ 会社概要 (2010年3月31日現在)

商号 伊藤忠フレッシュ 株式会社
事業内容 水産物、畜産物、農産物の仕入、加工、販売
設立年月日 1980年10月1日
所在地 東京都港区港南二丁目13番34号
代表者 代表取締役社長 原 修
売上高 約575億円
資本金 10億円
主要株主 伊藤忠商事株式会社(100%)
従業員 468名(パート、アルバイト、派遣社員含む)

ユニバーサルフード 会社概要 (2010年3月31日現在)

商号 ユニバーサルフード 株式会社
事業内容 フードサービス関連業務の運営・管理業務受託
設立年月日 1999年3月1日
所在地 東京都江東区新砂二丁目3番43号
代表者 代表取締役社長 山根 明
売上高 約150億円
資本金 3.5億円
主要株主 伊藤忠商事株式会社(98%)、株式会社サンマルクホールディングス(2%)
従業員 81名(臨時従業員含む)

5. 業績に関する今後の見通し

本件協議が伊藤忠商事の2011年3月期の連結業績に与える影響は無い見込みです。