伊藤忠商事株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長 岡藤 正広、以下「伊藤忠商事」）とGE（本社：米国コネティカット州フェアフィールド、会長兼CEOジェフリー・イメルト）は米・オクラホマ州で建設中のCPV Keenan II風力発電事業（以下 「Keenan II」）に共同出資（プロジェクト総コスト 約3億1千9百万ドル、約258億円）を行います。
　
伊藤忠商事はKeenan IIの為に設立した子会社であるTyr Keenan II, LLC経由、 GE Energy Financial Services（以下「GE エナジー・フィナンシャル・サービス」）が保有するKeenan IIの権益の一部を買収致しました。本件は両社が５月に締結した全世界の再生可能エネルギー分野での共同投資案件発掘に関する包括提携の下での第一号案件となります。伊藤忠商事とGEは12月に予定されている商業運転開始時に追加の1億ドル（約81億円）を共同出資するオプションを有しております。
　
GE エナジー・フィナンシャル・サービスはCPV Renewable Energy Company (以下「CPV」)が開発中のKeenan IIの権益を2010年2月に買収致しました。Keenan IIはオクラホマ州ウッドワードの南12マイルの場所に位置する総発電容量152MW（2.3MW/機の風力発電機66機）の風力発電所であり、オクラホマ州の約45,000世帯に電力供給を行い、年間約413,000トン(72,000台の車の温室効果ガス排出量に相当)の温室効果ガス削減※が期待されます。Keenan IIはOklahoma Gas & Electric Companyとの間に20年間の売電契約を締結しております。風力発電所建設には、サイトへの連絡道路の建設、タービン基礎工事、集電装置、変電所、送電線の建設等が含まれ、予定通りのスケジュールで米Delanery Groupが建設を行っております。発電所の運転・保守は伊藤忠商事の100％子会社であり、世界最大手の発電所運転・保守サービス会社であるNAES Corporationが行います。
　
風力発電事業は、GEエナジー・フィナンシャル・サービスの再生可能エネルギー分野でのポートフォリオの約80%を占めます。総発電容量6.1ギガ・ワット、58箇所の風力発電事業に投資を行い、総発電容量1.4ギガ・ワット、38箇所の風力発電事業に融資を行っております。GEエナジー・フィナンシャル・サービスによる再生可能エネルギー分野での投資は、GEのクリーン・エネルギー分野の拡大と同時に、顧客の環境分野へのチャレンジを促進するGEの「エコマジネーション・イニシアチブ」に寄与するものです。さらにこの投資は、全米20州で導入されているRPS（Renewable Portfolio Standards；再生可能エネルギーを利用した発電の発電量を増やす為の規制）の基準を各州が満たすことにも貢献しております。GEエナジー・フィナンシャル・サービスは様々な開発業者や投資家との協業により再生可能エネルギー分野で60億ドルのポートフォリオを現在有しており、風力、太陽エネルギー、バイオマス、水力、地熱等多岐に亘る再生可能エネルギーを利用した発電案件を投資対象としております。
　
伊藤忠商事はFrontier^e 2010中期経営計画における注力新規ビジネス開発分野として、医療・健康関連（Life Care）、機能インフラ・社会インフラ関連（Infrastructure）、バイオ・ナノ等の先端技術(New Technologies & Materials)、そして環境・新エネルギー(Environment & New Energy)の4分野を掲げ、それらの相互シナジー（synergy）を目指して「L-I-N-E-s」と総称し、全社横断的な取組みを行っております。伊藤忠商事は再生可能エネルギーを活用する発電資産を含むインフラ分野への投資機会を積極的に追求して参ります。