CIIIS社の慣性力(振動)発電技術を商品化

-国内最大手エース社のバッグに慣性力発電ユニットを搭載-

2010年11月17日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岡藤正広、以下「伊藤忠商事」)は、米国CIIIS(シー・スリー・エス)(本社:米国カリフォルニア州、CEO: Dr. Sydney Chao)以下「CIIIS社」)社の持つ慣性力発電(振動発電)(※1)技術を用いて、人体の運動による振動で発電する慣性力発電ユニットを開発しました。国内鞄最大手のエース株式会社(以下「エース社」)が、この慣性力発電ユニットを搭載したバッグを販売開始予定です。

CIIIS社の慣性力発電技術は燃料などを必要とせず、人体の動き、輸送機器等の移動体の振動、海洋(波)の動きといったランダムな動きを利用して、クリーンなエネルギーを作り出します。これまで捨てられていたエネルギーから電気エネルギーを生み出すことにより、電池交換不要な電気製品やセンサーなどが可能になります。また同技術を利用した波力発電技術の開発も進められています。伊藤忠商事は2005年にCIIIS社と資本・業務提携し、本技術の商品化を進めてきました。

この度、伊藤忠商事が開発した慣性力発電ユニットは、エース社の基幹ブランド「ACE GENE(エースジーン)」の新商品バッグに採用され、2011年2月より全国販売されます。慣性力発電ユニットが、バッグを持ち歩く際の振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、バッグに内蔵されたLEDライトを発光させることによって、夜間の視認性を向上し、安全性を高めます。
 
なお、エース社のバッグに搭載される慣性力発電ユニットは、国内有数のものづくり技術の集積地である東大阪市に本社を置くマグテック株式会社(以下「マグテック社」)が、設計・製造を担当しています。伊藤忠商事は、東大阪市と先端技術分野で提携しており、東大阪市(※2)と、東大阪市の産業振興を図る目的で設立された財団法人である東大阪市中小企業振興会の協力により、マグテック社との協業が実現しました。

伊藤忠商事は、今後、生活消費関連分野などにおいても慣性力発電技術の導入を進め、日常生活やスポーツの際に生じる運動エネルギーを利用する様々な商品を積極的に展開します。

また、クリーンテック分野を中心に国内外の有望な先端技術への投資と新規事業開発を国内外で積極的に推進し、低炭素社会実現、地球温暖化防止への貢献を目指します。

  1. 慣性力発電(振動発電)
    運動エネルギーを電磁誘導の原理を利用し電気エネルギーに変換する発電技術。磁石、コイル等の部品を最適に組み合わせることにより、人体の動き、輸送機器等の移動体の振動、海洋(波)の動きといったランダムな動きからも電気エネルギーを引き出すことが可能になる。
  2. 東大阪市
    東大阪市は基盤的技術産業を中心に多種多様な製造業を有するモノづくりのまち。オンリーワン、ナンバーワンと称されるような、高い技術力や高いシェアを有する企業が多数立地。伊藤忠商事は、2005年に東大阪市と東大阪市内中小製造業の先端技術分野での支援・育成について、業務提携契約を締結。

CⅢS社について

会社名 CIIIS, LLC
代表者 Dr. Sydney Chao
本社所在地 米国カリフォルニア州ロサンゼルス市
設立年月日 2004年9月

エース社について

会社名 エース株式会社
代表者 森下 宏明
本社所在地 東京都渋谷区神宮前1-4-16 神宮前M-SQUARE
設立年月日 1940年1月
資本金 14億1,000万円
URL http://www.ace.jp/[別ウインドウで開きます]

マグテック社について

会社名 マグテック株式会社
代表者 下西 孝
本社所在地 大阪府東大阪市島之内2-4-16
設立年月日 1991年2月
資本金 1,000万円
URL http://www.magtec.co.jp/index.html[別ウインドウで開きます]

CIIIS社の慣性力発電技術を採用したバッグ「ACE GENE」

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