食品中間流通事業の経営統合について
~一元化・総合化によるお取引先様の満足度向上に向けて~
2010年12月17日
伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:岡藤正広、以下「伊藤忠商事」という。)と、伊藤忠商事子会社である株式会社日本アクセス(本社:東京都世田谷区、代表取締役:田中茂治、以下「日本アクセス」という。)、ファミリーコーポレーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:黒澤洵吉、以下「FC」という。)、伊藤忠フレッシュ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:原修、以下「伊藤忠フレッシュ」という。)及びユニバーサルフード株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役:山根明、以下「ユニバーサルフード」という。また、日本アクセス、FC、伊藤忠フレッシュ及びユニバーサルフードを併せて「経営統合当事者」という。)は、食品中間流通事業の経営統合(以下「本経営統合」という。)について以下の通り合意いたしましたので、お知らせいたします。
1. 経営統合の目的
2010年9月28日、伊藤忠商事と経営統合当事者とは、食品中間流通事業の強化に向けて、日本アクセスを基軸とした事業再編の協議を開始することに合意し、以降事業再編の手法、条件並びに事業再編後の事業運営及び事業展開等について協議及び検討を行ってまいりました。
国内食品流通市場においては、人口の緩やかな減少及び少子高齢化の進展、および景気悪化に伴う個人消費の低迷によって、流通業界の経営環境が一層厳しさを増しており、このような経営環境の中で、食品製造業分野及び小売業分野での競争は激化し、再編、淘汰、グループ化、グローバル化など、めまぐるしい変化が続いております。
伊藤忠商事のSIS戦略のバリューチェーンの軸である中間流通事業分野において、こうした変化への対応を通じ、お取引先様の満足度向上に貢献し、且つ、伊藤忠商事グループ全体の企業価値の一層の向上を図るために、一体となった戦略推進を可能にする体制を構築し、各社それぞれが保有する経営資源を一層緊密かつ有効に活用すべく協議・検討を行った結果、本経営統合を迅速に進めることといたしました。
2. 経営統合の概要
(1) 第一ステップ(2011年3月1日(予定))
- 日本アクセスとFCとが、日本アクセスを存続会社とする吸収合併を行います。
- 日本アクセスが、伊藤忠商事が保有するユニバーサルフードの株式(発行済株式の98%)を取得し、ユニバーサルフードを連結子会社といたします。
(2) 第二ステップ(2011年10月1日(予定))
- 日本アクセスと伊藤忠フレッシュとが事業譲渡により経営統合いたします。
3. 本経営統合により期待される効果
(1) お取引先様の満足度向上
以下三つの一元化・総合化を推進することにより、これまで各社単独では実現できなかった「総合的なマーチャンダイジング」と「ローコストで高品質なロジスティクス」を御提供することによって、お取引先様の満足度向上に貢献できるものと考えております。
- 商品の一元化・総合化
常温・冷凍・チルドなど全温度帯の加工食品に加え、生鮮三品も一元的・総合的に取扱う「食の総合マーチャンダイジング」を御提供できる体制を構築いたします。
特に、伊藤忠フレッシュが得意とする生鮮三品(水産物、畜産物、農産物)を日本アクセスが強みを持つ全温度帯物流網を活用し全国のお取引先様に御提供いたします。 - 物流の一元化・総合化
全国・全温度帯の店着物流に加えて、調達物流も一元的・総合的に御提供できる体制を構築いたします。統合後は食品流通の分野ではトップクラスの規模と機能をもつことになり、お取引様に対して「ローコストで高品質なロジスティクス」を御提供いたします。 - 販売チャネルの一元化・総合化
量販店、コンビニエンスストアに加え、外食・給食分野のお取引先様に対しても「総合的なマーチャンダイジング」と「ローコストで高品質なロジスティクス」を御提供できる体制を構築いたします。
また、食品製造業分野のお取引先様に対しては、より幅広い「販売チャネル」を御提供し、効率化と更なるビジネスチャンスを生むものと考えております。
(2) 伊藤忠商事中間流通事業の収益拡大
本経営統合によって、経営統合当事者における経営・営業管理業務、情報システム関連業務、物流業務、食品安全管理業務などの最適配置を行うことで、伊藤忠商事中間流通事業全体の合理化・効率化が進むと考えており、その結果、中間流通事業の収益拡大に繋がると考えております。
(3) 伊藤忠商事中間流通事業の海外展開の加速
本経営統合によって、従来経営統合当事者が個別に行っていた海外展開に関しても、各社の特性と長所を活かした「総合的なマーチャンダイジング」と「ローコストで高品質なロジスティクス」の実現を目指して、伊藤忠商事が主導的且つ一元的に管理することにより、特に成長市場である中国、アジアにおける中間流通事業展開が加速するものと考えております。
4. 経営統合当事者の概要
日本アクセス 会社概要 (2010年3月31日現在)
商号 | 株式会社 日本アクセス |
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事業内容 | 食品卸売業 |
設立年月日 | 1952年10月1日 |
所在地 | 東京都世田谷区池尻三丁目1番3号 |
代表者 | 代表取締役社長 田中 茂治 |
売上高 | 約1兆3,606億円(連結ベース) |
資本金 | 26.2億円 |
主要株主 (2010年9月30日現在) |
伊藤忠商事株式会社(93.6%)、雪印乳業株式会社(6.4%) |
従業員 | 3,066名(連結ベース) |
FC 会社概要 (2010年3月31日現在)
商号 | ファミリーコーポレーション 株式会社 |
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事業内容 | 食品関連の物流業務受託およびセンター運営業 |
設立年月日 | 1988年3月31日 |
所在地 | 東京都文京区小石川一丁目4番1号 |
代表者 | 代表取締役社長 黒澤 洵吉 |
売上高 | 約703億円 |
資本金 | 30億円 |
主要株主 |
伊藤忠商事株式会社(95%)、株式会社日本アクセス(2%) 伊藤忠食糧販売株式会社(1%)、ユニバーサルフード株式会社(1%) 伊藤忠ライス株式会社(1%) |
従業員 | 227名(臨時従業員、アルバイトおよびパート含む) |
伊藤忠フレッシュ 会社概要 (2010年3月31日現在)
商号 | 伊藤忠フレッシュ 株式会社 |
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事業内容 | 水産物、畜産物、農産物の仕入、加工、販売 |
設立年月日 | 1980年10月1日 |
所在地 | 東京都港区港南二丁目13番34号 |
代表者 | 代表取締役社長 原 修 |
売上高 | 約575億円 |
資本金 | 10億円 |
主要株主 | 伊藤忠商事株式会社(100%) |
従業員 | 468名(パート、アルバイト、派遣社員含む) |
ユニバーサルフード 会社概要 (2010年3月31日現在)
商号 | ユニバーサルフード 株式会社 |
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事業内容 | フードサービス関連業務の運営・管理業務受託 |
設立年月日 | 1999年3月1日 |
所在地 | 東京都江東区新砂二丁目3番43号 |
代表者 | 代表取締役社長 山根 明 |
売上高 | 約150億円 |
資本金 | 3.5億円 |
主要株主 | 伊藤忠商事株式会社(98%)、株式会社サンマルクホールディングス(2%) |
従業員 | 81名(臨時従業員含む) |
5. 業績に関する今後の見通し
本経営統合が伊藤忠商事の2011年3月期の連結業績に与える影響は無い見込みです。