2011年度 入社式 社長メッセージ

2011年4月1日

おはようございます。社長の岡藤です。
本日の入社式に先立ちまして、先ずは3月11日に発生しました東日本大震災により尊い生命を失われた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災され今なお不自由な生活を強いられている被災者の皆様に謹んでお見舞いを申し上げたいと思います。国内観測史上最大の大地震と大津波により、東北地方の被害のみならず日本全国に大きな影響が出ております。大自然の脅威と、絶対に安全と言われていた原子力発電所を含めた社会インフラの『もろさ』、また人類の『無力さ』、をまざまざと見せつけられる結果となりました。皆さんはこのような状況の中で入社式を迎えられたわけですが、今回の震災を教訓に、決して驕ることなく謙虚な気持ちで社会人生活のスタートを切っていただきたいと思います。

さて、本日、伊藤忠商事に、7月入社の1名を加え、総合職112名、事務職25名、合計137名のフレッシュな仲間を迎えることができました。厚生労働省の調査によれば、2011年2月1日現在の就職内定率は77.4%でした。これは2000年以来最低の数字であります。当社で言えば、総合職は応募8,919名に対し競争倍率80倍、事務職では878名の応募に対し35倍という狭き門でした。

今、皆さんは入社した喜びと将来への希望に満ち溢れている事だと思います。その一方で会社という組織の「歯車の一部」になることを不安に思っている人もいるかもしれません。しかし、残念ながら「歯車の一部」になど、そう簡単になれるものではありません。歯車は小さい歯の一部が欠けただけでも全体の動きが止まりますが、組織というものは、一人や二人が働けなくなっても全く支障が出ません。そこで皆さんには、我々を良い意味で裏切る、つまり皆さんが欠ければ組織が機能しなくなるくらいの「立派な歯車」を目指して頂きたいと思います。本日の入社式にあたり、改めて、皆さんに「立派な歯車」になる為に、是非実行して頂きたい心構えを2点に絞って、メッセージとしてお贈りしたいと思います。

一つ目は、配属された部署で「その道のプロ」を目指して欲しいということです。
皆さんが配属された部署、また担当する分野において、「一番の人材」、「周りから一目置かれる人材」を目指してください。一番になると人も集まり、情報も集まり、周りから信頼され、どんどんいい方向に回転します。間違っても会社の中で自分が担当する仕事はちっぽけなものだ、たいしたことはない、などという考えは持たないで欲しいと思います。商社ではどんな分野でも一芸に秀でているものだけが生き残れるのです。どんな仕事であれ、その仕事に打ち込み、チャレンジし、成果を挙げその道のプロになることが将来どのような業界、部署においても活躍できる人材になる為の第一歩なのです。

二つ目は、常にYESの思考から入ることです。
お客様の要請や上司・先輩のアドバイスを「難しい、無理だ」と考えるのではなく、まずは受け入れ、その上でどう対応するか考える、このような「前向きな思考回路」を常に持って下さい。ポジティブな発想をすることは、ビジネスパーソンにとってとても重要です。この様な対応は相手に好印象を与えることにもなり、円滑な対人関係の構築にもつながります。常にYESから入ることの大切さを胸に刻み、是非、習慣化するように努めて下さい。

本日から皆さんは150年を越える歴史を持つ伊藤忠商事の一員となり、我々と共にこれからの歴史を作っていくことになります。当社には無限のフィールドがあります。選ばれて入社した自信と誇りを胸に、今、お話した二つのメッセージをしっかりと心に刻み、思う存分活躍されることを期待しています。
最後に皆さんの入社を心から歓迎し、入社式のご挨拶と致します。