米国眼内レンズ開発ベンチャーELENZA社への出資
-電気で焦点調整する眼内レンズの開発-
2011年4月25日
伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岡藤正広、以下「伊藤忠商事」)は、ELENZA Inc.(エレンザ・インコーポレーション)(本社:米国バージニア州、CEO: Rudy Mazzocchi、以下「ELENZA社」)の株式を第三者割当増資により2011年2月7日付けで取得しました。ELENZA社は同社が特許を持つ多焦点眼内レンズ(※1)の実用化のための技術開発を推進し、伊藤忠商事は技術の製品応用などについて検討します。
現在の多焦点眼内レンズは、同時に複数の焦点を持つため、像がきらめくなどの問題点があると言われています。また、レンズはピント調整ができません。ELENZA社の開発する眼内レンズは、眼内レンズに埋め込まれたICチップが液晶のシャッターの開閉を行うことで、絞りを調整します。そのため、埋め込まれた眼内レンズを動かすことなく、焦点の調整が可能となります。また、ICチップ用バッテリーは既に欧州で実用化されている技術を導入し、眼内レンズを体内に埋め込んだままでの非接触充電が可能です。
今回のELENZA社の第三者割当増資は、伊藤忠商事の他、既存株主であるカーライル・グループやデルファイ・ベンチャーズなどの大手ベンチャーキャピタルが応じました。ELENZA社は、今後、眼内レンズの開発を進めるとともに、治験を含む薬事関連の活動や、欧州などでの販売展開を目指します。
伊藤忠商事は、この度の資本参加により、ELENZA社が開発する技術の製品応用や、日本・中国を中心としたアジア諸国での商品展開を検討するとともに、新技術が用いられた医療機器の開発段階から手掛けることにより、幅広い診療領域における事業展開を目指します。伊藤忠商事は、今後も医療分野などの有望な先端技術の開拓を進め、事業投資・開発を通じて新たなビジネスの創出を積極的に推進します。
- 多焦点眼内レンズ
白内障などの患者の白濁した水晶体を摘出した際に挿入する、人工的なレンズを眼内レンズという。通常は単焦点のレンズが用いられるが、高度先進医療分野で用いられる複数の焦点を持つ眼内レンズのことを多焦点眼内レンズという。
ELENZA社について
会社名 | ELENZA Inc., |
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代表者 | Ruby Mazzocchi |
本社所在地 | 5241 Valleypark Drive, Roanoke, VA 24019, U.S.A. |
設立年月日 | 2008年3月5日 |
URL | http://www.elenza.com/![]() |