ウラジオストクにおけるLNG共同事業化調査実施に合意

2011年4月26日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岡藤正広、以下「伊藤忠商事」)、石油資源開発株式会社(以下「JAPEX」)、丸紅株式会社(以下「丸紅」)、国際石油開発帝石株式会社(以下「INPEX」)及び伊藤忠石油開発株式会社(以下「CIECO」)が出資する極東ロシアガス事業調査株式会社(以下「極東ガス」)と、ロシア国営ガス会社ガスプロム(以下「ガスプロム」)は、4月25日に、ロシア・モスクワにて、ウラジオストク市周辺における天然ガス利用プロジェクトの共同事業化調査(共同FS)実施に関する合意書に調印しました。

共同FSの内容は、年産1000万トン規模の液化天然ガス(LNG)プラント建設に関するPre-FEED(事前基本設計)、圧縮天然ガス(CNG)パイロットプロジェクト実施可能性に関する予備調査及びガス化学製品の製造・販売の可能性に関する調査であり、2011年末までに完了する見込みです。

本共同FSは、2009年5月より資源エネルギー庁、伊藤忠商事及びJAPEXがガスプロムと共に共同事前事業化調査(プレFS)を実施しており、昨年7月のプレFS完了以降もガスプロムと更なる調査につき協議を継続していました。今回の合意は、本年1月の資源エネルギー庁とガスプロムの共同FSの実施に関する合意を踏まえ、その具体的な調査内容詳細につき合意したものです。

プーチン首相は、3月19日にサハリン州で開催された東シベリア・極東エネルギー産業開発会議にて日本へのLNG供給を増やす方針を示し新規のLNG基地の建設にも言及しています。当該調査及びその後のプロジェクトの実現は日露協力にとって重要な案件と位置づけられており、日本のみならず極東及びアジア周辺諸国へのLNG安定供給と共に、ロシアのガス(LNG)輸出ソースの多様化に寄与するものと考えられます。

極東ロシアガス事業調査株式会社について

会社名

極東ロシアガス事業調査株式会社 (Japan Far East Gas Co., Ltd.)
代表者 松川良夫 代表取締役社長
本社所在地 東京都港区北青山2-5-1
株主構成 伊藤忠商事(32.5%)、JAPEX(32.5%)、丸紅(20%)、INPEX(10%)、CIECO(5%)
設立年月日 2010年12月6日
資本金 1000万円

参考

ガスプロムは、世界最大のガス生産規模を誇るロシアの国営ガス会社。天然ガスの2010年の年間生産量は5,086億立米、2009年の輸出量は2,058億立米。

2009年5月12日、プーチン首相が訪日した際、ガスプロム、資源エネルギー庁、伊藤忠商事、JAPEXが、ウラジオストク周辺におけるLNG/CNG製造関連プレFSに関するMOUに署名。プレFSの結果は、2010年7月にサンクト・ペテルブルグで開催されたガスプロムと資源エネルギー庁間で開催された第5回共同調整委員会で報告された。

今回の「ウラジオストク市周辺における天然ガス有効利用プロジェクト」に関する合意書は、プレFSの結果を受けて、上述2009年のMOUを発展させてガスプロムと極東ガス間で締結されたもの。

参考資料:ロシア 東方ガス化計画(出所:ガスプロムHPより)

[写真]