ベルギー・新設ガス火力発電所の権益取得について

2011年5月19日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岡藤正広、以下「伊藤忠商事」)は、英国大手IPP※1事業者International Power社 (以下「IPR社」)が保有する、ベルギーのT-Power天然ガス火力発電所(発電出力:420MW、総事業費:500億円超、以下「T-Power社」)の株式33.3%をIPR社から取得することにつき合意に至りました。

IPR社は本年2月の仏国GDF Suez Energy Internationalとの合併に伴い、欧州委員会より合併後のベルギーに於ける市場寡占を指摘され、同社が保有するT-Power社株式を2011年度中に第三者へ譲渡することが条件となり、伊藤忠商事との交渉を開始しました。その結果、伊藤忠商事のIPPに於ける実績、殊に米国100%子会社であるNAES Corporation(以下「NAES社」)による発電所の運転・保守実績が高く評価されたことにより、最終的に今回の合意に至ることとなりました。

同発電所は本年6月中に商業運転を開始する予定であり、独国大手電力会社RWEグループ会社との間で長期トーリング契約(契約期間15年、5年延長オプション付)※2を締結していることから、株式取得直後より安定収益が期待できます。また、買収完了後は、NAES社が同発電所の運転・保守を行います。

同発電所は電力自由化を促進中のベルギーに於ける第一号IPP案件であり、伊藤忠商事にとっても欧州市場に於ける初の天然ガス火力発電所への投資となります。伊藤忠商事は、本取組を今後の欧州IPP事業展開の足掛かりとし、各種発電資産への投資機会獲得を積極的に推進することを目指します。また、同発電所が採用する天然ガス燃焼・コンバインドサイクル(複合火力)発電方式※3は、他化石燃料発電と比較し環境負荷が少ないため、環境面からの取組意義も高いと考えております。

伊藤忠商事は、中期経営計画「Brand-new Deal 2012」に於いて、長期安定収益が見込めるIPP事業を重点施策分野の一つと位置付けており、これまで着実に優良資産の積上げを進めてきた北米に加え、今後は欧州、中近東、アジア等に於いても、積極的に優良IPP資産の積み上げを進めて参ります。

  1. IPP:
    卸発電事業者(Independent Power Producer)
  2. トーリング契約:
    IPP事業者が売電先と締結する電力売電契約の一種。売電先が発電に必要な燃料の供給及び当該燃料調達に関わる費用支払の義務を負う契約。
  3. コンバインドサイクル(複合火力)発電方式
    ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電方式。ガスタービンを回し終えた排ガスの余熱を利用し水を沸騰させ、蒸気タービンによる発電も行うことより、効率的な発電が可能となり、CO2排出量も他化石燃料発電方式と比較し少ない。

IPR社について

英国大手IPP事業者。全世界でIPP事業を展開しており、保有発電所の持分発電容量は稼働中のものが41,550MW、建設中のものが6,826MW (2010年12月31日時点)。

会社名 International Power plc
代表者 Philip Cox (CEO)
本社所在地 英国、ロンドン
URL http://www.iprplc-gdfsuez.com/[別ウインドウで開きます]

NAES社について

世界最大手の発電所運転・保守サービス会社(外部向けにサービスを供給する発電所運転・保守会社の中でトップシェア)。伊藤忠商事100%子会社であり、これまで北米を中心に世界10カ国に於いて、約180発電所(発電容量ベース:約51,800MW)に対する発電所運転・保守サービス供給実績あり。発電所運転・保守サービス以外にも、タービン、ボイラーなど発電所機器メンテナンスサービスの供与も行う。

会社名 NAES Corporation
代表者

John P. Brewster (President & CEO)

本社所在地

米国、シアトル

URL http://www.naes.com/[別ウインドウで開きます]

発電所写真

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