中国・江西省共青城市におけるスマートコミュニティ技術実証事業への参画について

-NEDOの日中共同プロジェクトの委託先に選定-

2011年6月22日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岡藤正広)、及び伊藤忠(中国)集団有限公司(以下、「伊藤忠グループ」)は、共同提案企業※1と共に独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が中国で実施する初のスマートコミュニティ実証事業の委託先として選定されました。

本実証事業は、今後発展が見込まれる中国中部・江西省にある共青城市において、急速な人口増に伴う都市問題の解決策として、経済成長と低炭素化を両立させたスマートコミュニティに関する技術を実証します。具体的には、事前調査を行い、ビルや工場、家庭でのエネルギーマネジメントシステムや電気自動車・バスを用い、位置情報と連携させた効率的な交通運行管理システムの導入を検討します。また、今回の特徴として、個別システムで管理・制御するのではなく、コミュニティ全体で協調して制御する統合EMS※2の構築と実証を検討します。同市には、工業地区、商業地区、居住地区、観光地区の4つの地区があり、それぞれの特性を活かしたマネジメントのあり方を実証し、中小都市向けの先進的なスマートコミュニティモデルの確立を目指します。

本実証事業は、伊藤忠グループ、及び共同提案企業※1で事前調査を今年11月末まで実施します。その調査結果を踏まえた事業化評価を経て、実証事業のより具体的内容を決定します。なお、実証事業は2014年3月末まで実施する予定です。伊藤忠グループは地域マネジメントシステムによる電気自動車(EV)等の交通システム管理の実証を担当します。
 
伊藤忠グループは、これまで海外では、「米国ニューメキシコ州における日米スマートグリッド実証」や「米国インディアナポリス大規模官民共同EV普及プロジェクトProject Plug-IN※3」、インド「デリー・ムンバイ産業大動脈構想」、中国「天津市環境都市プロジェクト」などの実証事業や、日本では「次世代送配電系統最適制御技術実証事業」や「つくばGreen Crossover Project」等の様々なスマートグリッド・スマートコミュニティ関連実証事業に参画しています。

今後も、伊藤忠グループは、スマートグリッド・スマートコミュニティ関連実証事業への参画を通して、基礎技術の確立やビジネスモデルの構築を図るともに、積極的に事業拡大を推進していきます。

  1. 共同提案企業
    伊藤忠グループ2社の他、株式会社東芝、東芝ソリューションズ株式会社、東芝(中国)有限公司、株式会社スマートコミュニケ―ションズ、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ。
  2. EMS
    Energy Management System
  3. Project Plug-IN
    世界的に有名なカーレース・イベントである「インディ500」を毎年開催するほど車社会、自動車産業に深く関わっている米国インディアナ州において、電気自動車とスマートグリッド技術の融合を図りつつ、世界に先駆けてより効率的な低炭素交通社会システムの構築を目指す北米最大規模のプロジェクト。2012年に1,000台、2013年には4,000台のEV普及を目指す。

今回の事業の概要

  1. 実証地域:
    中華人民共和国 江西省共青城市
  2. 期間:
    2011年度~2013年度 (事前調査期間は、2011年11月末日まで)
  3. 実証内容(伊藤忠グループは④を担当予定):
    ①コミュニティ全体を協調して動作させ、効率的に計画・運用する統合EMSの構築および実証
    ②多様な都市活動全体の環境改善や省エネルギーを推進し、マネジメントするシステムの実証
    ③実証エリアに再生可能エネルギーを導入したスマートグリッド関連技術の実証
    ④低炭素交通管理システムの実証

今回の実証事業のイメージ図(出典: NEDO)

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