米国最大級のバイオマス発電所への出資について

2011年7月6日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岡藤正広、以下「伊藤忠商事」)は、Tyr Energy社(伊藤忠商事の100%子会社である北米IPP事業会社)を通して、フロリダ州北部ゲインズビル市に位置するバイオマス発電所(発電出力:100MW)プロジェクト(以下「本プロジェクト」)に出資することを決定しました。本プロジェクトの総事業費は約5億米ドルとなります。

本プロジェクトはBayCorp Holdings社、Energy Management社、及びTyr Energy社の3社で共同開発した案件で、3社での共同開発案件としては2件目の案件となります。本プロジェクトは米国最大級のバイオマス発電所となり、米国及びフロリダ州の環境基準に基づく排出ガス処理システムを備えます。

本プロジェクトを共同開発した上記3社にFagen社を加えた4社は、本プロジェクトに共同出資します。また、プロジェクトの建設コストを賄う為に、三菱東京UFJ銀行をリードバンクとして、NATIXIS銀行、RABOBANK銀行、ING CAPITAL銀行、CREDIT AGRICOLE銀行、SOCIETE GENERALE銀行の合わせて6行から資金調達を行います。

資金調達完了後、本プロジェクトは建設を本格化させ、2013年に商業運転を開始する予定です。商業運転開始後は、電力取引契約に基づき、フロリダ州のゲインズビル市の電力会社であるGainesville Regional Utilitiesに対して30年間に亘って電力供給を行います。尚、本件は世界最大手の独立系発電所運転・保守サービス会社であるNAES社が本プロジェクトでも運転・保守サービスを提供します。NAES社は米国で最も多くのバイオマス発電所運転・保守サービスの実績を持ちます。

伊藤忠商事は、中期経営計画「Brand-new Deal 2012」に於いて、長期安定収益が見込めるIPP事業を重点施策分野の一つと位置付けております。Tyr Energy社を通して、今後も開発案件並びに既設発電所の買収案件の両面からIPP資産の積み上げを進めて参ります。

Tyr Energy, Inc. 社概要(本社:オーバーランドパーク、カンザス州)

代表取締役社長: 宇佐美 薫
主な事業概要:伊藤忠商事(株)と伊藤忠米国現地法人が共同で出資するIPP事業会社であり、現在15箇所の発電所(アラバマ州、ジョージア州、オクラホマ州、オレゴン州、テキサス州、バージニア州、ウィスコンシン州)を保有。総発電容量は約7,000MWとなる。

Energy Management, Inc.社概要(本社:ボストン、マサチューセッツ州)

EMI社は設立30年以上のIPP事業開発会社。1986年にニューハンプシャー州にて15MWの木屑焚火力発電所(Alexandria Power Associates社)を開発し、その後6地点において合計860MWのガス焚火力発電所発電所(マーチャント発電所第一号案件含む)を開発した実績を有する。現在、マサチューセッツ州沖に470MWの洋上風力発電所(Cape Wind Project)を開発中。

BayCorp Holdings, Ltd. 社概要(本社:ポーツマス、ニューハンプシャー州)

BayCorp社は1996年に設立され、2005年からグローバルな投資会社であるタビストックグループ(The Tavistock Group)のグループ会社となった。タビストックグループは30年前に投資家ジョー・ルイスが設立し、現在は15カ国、170社への投資を行っている。
BayCorp社は天然ガス、石油生産、電力分野の開発型資産を保有するエネルギー企業であり、電力分野ではシーブルック原子力発電所(ニューハンプシャー)の株主でもあった。現在は、バーモントにおける水力発電所、及びテキサス州において石油、天然ガス開発・生産等を手掛けている他、原油、石油精製品のトレーディングを手掛けるHoustonStreet社の主要株主でもある。

Fagen Inc. 社概要(本社:グラナイトフォールズ、ミネソタ州)

現社長兼CEOであるRon Fagenによって1988年設立。全米において建設やメンテナンス工事を手掛ける。Engineering News-Record Magazineのランキングでは全米で37位の規模。

NAES Corporation社概要(本社:シアトル、ワシントン州)

代表取締役社長:John P. Brewster
世界最大手の発電所運転保守サービス会社。エンジニアリング、建設、タービン修理やオーバーホール、技術サポート、専門家派遣も行う。現在、北中南米5カ国・合計119発電所(発電所容量ベース:約35GW)、バイオマス発電所についても9発電所(247MW)の運転実績があり、同種発電所オペレーターとしても最大。伊藤忠商事子会社。

案件所在地

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