ブラジル・ペトロブラス社向け超大水深プレソルト層生産用FPSO事業に参画

2011年7月15日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岡藤正広、以下「伊藤忠商事」)と日本郵船株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:工藤泰三、以下「日本郵船」)は、両社が新たに設立した合弁会社(日本郵船59.32%、伊藤忠40.68%)を通じて、SBM Offshore社(オランダ、以下「SBM社」)、Queiroz Galvão Óleo e Gás社(ブラジル、以下「ケイロス社」)と共同でFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)(*1)を保有・操業する合弁会社を設立し、ブラジル国営石油会社Petróleo Brasileiro S.A.(以下、「ペトロブラス社」)を開発オペレーターとするブラジル沖BM-S-11コンソーシアム<ペトロブラス社(65%)、BG E&P do Brasil LTDA(25%)、Petrogal Brasil LTDA(10%)>との間で20年間のFPSO長期傭船契約並びにFPSOの操業を請け負うオペレーション・サービス契約を締結しました。 これにより、日本郵船は本FPSOおよび陸上操業事務所に人員を派遣し、FPSOの操業に本格的に参画することになります。

本FPSOは、大型原油タンカーを改造して建造され、完工後に"FPSO Cidade de Paraty"と命名、ブラジル沖合超大水深プレソルト層(*2)にあるLula Nordeste(ルラノルデステ)油田(*3)の開発に投入されることになります。本FPSOは、SBM社によりシンガポールで船体を改造後、ブラジル国内造船所での船上プラント機器搭載工事を終え、2013年第2四半期から上記油田にて原油生産を開始する予定です。 

また、FPSO建造資金の調達のため、日本国内外の12行で構成される市中銀行団との間でプロジェクト・ファイナンスによる総額10億米ドルの長期融資契約を締結しています。

伊藤忠商事、日本郵船両社は、本FPSO事業への参画を、今後一層の拡大が見込まれるブラジル国における海洋資源開発に参画するステップとし、さまざまな案件への取り組みの検討を進めてまいります。

[写真]
“FPSO Cidade de Paraty” 完成予想CG

FPSO概要

原油生産能力 12万バレル/日
ガス生産能力 500万立方メートル/日
原油貯蔵能力 160万バレル
水注入処理能力 15万バレル
係留方式 スプレッド・ムアリング方式

参画比率

日本郵船 17.5%
SBM社 50.5%
ケイロス社 20.0%
伊藤忠商事 12.0%

SBM社

オランダに本店を置く、FPSOのEPC・リース・オペレーション等の分野における世界最大手。1965年にアムステルダム証券取引所に上場し、対国営/民間大手石油・ガス会社を中心に全世界で事業を展開。従業員5,700人超、総資産5,090百万ドル、売上高3,055百万ドル、純利益276百万ドル(何れも2010年12月期 連結ベース)。

ケイロス社

1953年にブラジルで建設業から創始されたコングロマリット(建設・不動産、食品、鉄鋼等)であるQueiroz Galvãoグループ傘下の石油・ガス開発関連会社。1980年代からブラジル国内で開始した陸上/洋上の石油・ガス掘削事業分野におけるブラジル最大手。

  • *1 FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)
  • Floating Production, Storage & Offloading Systemの略。海底油田から揚がってくる液体から固形物、水、気体を除去して商品品質の原油として貯蔵し、出荷単位量になったところで輸送タンカーへの払出しを行う。
  • *2 超大水深プレソルト層
  • 海底下約5,000メートルの岩塩層下に位置する油層。
  • *3 Lula Nordeste(ルラノルデステ)油田
  • BM-S-11コンソーシアムが権益を保有する、リオデジャネイロ沖合約265km、水深2,100メートルに位置する大型油田。