2012年社長年頭挨拶

2012年1月4日

本日9:00より、東京本社1Fロビーにて、新年祝賀式が開催され、約2,000人の社員が参加しました。
社長挨拶に引き続き、昇龍の如く迫力ある創作和太鼓の演奏で今年一年の伊藤忠グループの商売繁盛と無病息災を祈願しました。当社社長 岡藤正広による「2012年 年頭挨拶」を下記の通りお知らせします。


皆さん、明けましておめでとうございます。 年頭にあたり、日本および全世界の伊藤忠グループの皆さんへ、一言ご挨拶を申し上げます。

2011年の経済を振り返って

昨年2011年は、世界経済の回復期待が高まり、順調に景気拡大に向かうと思われていた矢先に、3月11日の東日本大震災が発生しました。さらにはタイの洪水、そして欧州経済危機と、日本のみならず世界全体に、かつて経験したことがないような厳しい逆風が吹き荒れました。2011年の年初にアナリストが予想した2011年末の日経平均株価終値の平均値は12,150円、同じく為替レートは1ドル85円でした。これに対して実際はどうであったかというと、昨年の最終営業日であった12月30日の株価終値は8,455円、為替は76円台、さらにはユーロも一時100円割れとなるなど、大きく予想と食い違ったものになったのです。

このように経済状況の変化が激しく、先が一切見えない経営状態の中で、伊藤忠商事の2011年はどうだったでしょうか。2010年度決算では、懸念案件を一括で処理し、将来の飛躍に向けた整理を断行しつつ、一定規模の利益を確保しました。そして2011年度上期実績は半期ベースで過去最高益を記録、年度ベースでも計画を達成する見込みであり、こちらも過去最高益となる見通しです。さらに、積極的な投資も行いました。2011年度は6,000億円を超える投資額となる見込みであり、従来から申し上げていた「攻め」に向けた先行布石が着実に実行されています。

以上のように、経営環境が不安定な中、皆さんの奮闘のおかげで業績は好調に推移していますが、今年は、なかなかトンネルを抜けられない欧州金融危機と、その影響を受けた新興国の変調がどの程度世界経済に影響を及ぼすか、またそれに伴う資源価格の下落など、世界をフィールドに戦う総合商社にとってますます厳しい経営状況になることは間違いありません。

2012年を迎えるにあたり社員へのお願い

さて、そのような状況の中、新年を迎えるにあたり、皆さんにあらためてお願いしたいことがあります。それはもう一度、原点に立ち返り、商売の原理原則である「か・け・ふ」即ち「稼ぐ・削る・防ぐ」を実行してほしいということです。

先ほど述べたように、今年は昨年以上に経営環境の厳しさが増す年になります。しかしながら、そのような困難な情勢であっても、積極的に、果敢に攻める姿勢を崩してはいけません。状況が厳しいのは他社も同じです。厳しいときだからこそ、優良案件を競争力のある条件で獲得できるチャンスでもあります。世の中の大きな変化を的確に捉え、機敏に対応し、ときに常識を覆すような商売を是非開拓するようにしてください。但し、そればかりでは、あとになって大きな痛手を蒙る危険性も高くなります。過去の二の舞は何としても避けなければなりません。常に現実をよく見据え、「削る」と「防ぐ」を抜かりなく行い続けることが、今年は例年にも増して大事な年になります。攻めと守りをバランスさせ、「か・け・ふ」の徹底的な実践を是非お願いします。

最後に

あらためまして皆さん、現中期経営計画の名称であるBrand-new Dealの名のごとく、まっさらで新しい伊藤忠に向かって、新しい一歩をともに歩んで行きましょう。

以上で新年を迎えるにあたっての私からの挨拶を終わりますが、このあと、恒例の祈願のイベントを披露させていただきます。今年1年の全世界に亘る伊藤忠グループの商売繁盛、並びに社員およびご家族のご健康と安全を皆さんと一緒に祈願したいと思います。

  • 奥三河(愛知県北設楽郡東栄町)を拠点に活動する創作和太鼓集団「志多ら(しだら)」が演奏を披露。
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