株式会社クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパンに対する資本参加の受け入れ合意について

2012年7月31日

伊藤忠商事株式会社(以下、「伊藤忠」)、株式会社クレハ(以下、「クレハ」)、株式会社クラレ(以下、「クラレ」)及び株式会社産業革新機構(以下、「INCJ」)は、昨年4月に設立した伊藤忠とクレハの合弁会社でリチウムイオン二次電池(以下、「LiB」)用材料を取り扱う株式会社クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン(以下、「KBMJ社」)の成長を一層加速させることを企図し、KBMJ社に対し新たにクラレ及びINCJが資本参加の上、4社合わせて最大約200億円の資本投入を行うことについて合意しました。

1.資本参加受入れの背景

KBMJ社は、LiB用ハードカーボン負極材「カーボトロン®P」の製造・販売及びLiB用バインダーの販売を行うことを目的とし、伊藤忠とクレハの合弁会社として、2011年10月1日に営業を開始しました。また、2011年12月に、クレハとクラレは植物由来原料のLiB用ハードカーボン負極材「バイオカーボトロン」の共同事業化に向けて合意しました。こうした協議を通じて、伊藤忠とクレハは、KBMJ社を今後の成長著しいLiB用材料分野におけるネットワークの中枢となる会社と位置付け、各社の強みを持ち寄り独自の地位を築くことを目指してまいりました。
このたび、KBMJ社の株主として新たにクラレ及び革新性を有する事業への成長資金の供給を目的とするINCJが参画し、KBMJ社は財務基盤の強化を図りつつ成長を更に加速させてまいります。
伊藤忠は、LiB分野取組み強化の一環として、LiB関連素材事業における投資を積極的に行っています。負極材分野においても、幅広い経営資源、世界規模のネットワーク並びに統合力を最大限に活かし、「カーボトロン®P」のグローバル展開を加速させております。

2.資本参加の内容・資金使途

KBMJ社は、今後約2年間、第三者割当増資により伊藤忠、クレハ、クラレ及びINCJに対し普通株式を、加えてINCJに対し、無議決権優先株式を発行することにより、最大約200億円を調達する予定です。
このKBMJ社による調達資金は、主にLiB用ハードカーボン負極材「カーボトロン®P」及び「バイオカーボトロン」の大規模で安定的なグローバル供給体制を構築するための設備投資に充当される予定です。
最大資本参加金額は以下の通りです。

 引受ける株式の種類最大資本参加金額
INCJ 普通株式及び無議決権優先株式 約100億円
伊藤忠 普通株式 約22億円
クレハ 普通株式  約55億円
クラレ 普通株式  約22億円
合計   約200億円

          なお、2012年8月末時点での資本参加金額の合計は約20億円を予定しています。

3.KBMJ社の運営体制

資本参加受入れ後のKBMJ社に対する議決権割合は以下の通りとなります。

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株式会社クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン( KBMJ社)について<2012年7月31日現在>

社名

株式会社クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン

(英語表記)Kureha Battery Materials Japan Co., Ltd.

本社所在地 東京都中央区日本橋浜町3丁目3番2号
事業内容

LiB用負極材「カーボトロン®P」の製造・販売およびLiB用バインダーの販売

出資比率 クレハ70%、伊藤忠商事30%
代表取締役社長 中谷 秀雄(株式会社クレハ専務執行役員電池材料事業部長)
設立日 2011年4月5日(営業開始日:2011年10月1日)
URL http://www.kureha-battery.co.jp/[別ウインドウで開きます]

株式会社産業革新機構(INCJ)について

INCJは、2009年7月にオープンイノベーションの推進を通じた次世代産業の育成を目指して、法律に基づき設立された会社です。総額約2兆円超の投資能力を有しており、革新性を有する事業に対し出資等を行うことで産業革新を支援することをミッションとしています。
INCJは、投資・技術・経営等で多様な経験をもつ民間人材によって運営されており、法令に基づき、同社内に設置している産業革新委員会にて、政府の定める支援基準に従って投資の可否の判断を行い、日本の産業革新に資する投資を実施いたします。
INCJでは、これまでに合計27件・総額約4,000億円の投資決定を発表しました。当面、環境エネルギーにも関連するエレクトロニクスやIT の分野、バイオ・ライフサイエンス分野、水ビジネス等インフラ関連分野などにおいて、知財ファンドによる先端的な基礎技術の事業展開、ベンチャー企業等の事業拡大、技術等を核とした事業の再編・統合、海外企業の買収等による積極的な海外展開などに対してハンズオン投資を行ってまいります。