2014年度 入社式 社長メッセージ

2014年4月1日

おはようございます。社長の岡藤です。

本日ここに、総合職121名、事務職14名、合計135名の新しい仲間を迎えることができ、大変嬉しく思います。
今年度の筆記試験受験者数は、総合職で10,652名、事務職で2,007名と多数でした。その倍率は実に、総合職で88倍、事務職では143倍であり、みなさんはこのような超難関を突破して入社されたわけです。

ところでみなさんは、一般的に新卒者の3人に1人が就職後3年以内に辞めているという事実をご存知でしょうか?これは厚生労働省の調査によるものですが、離職の理由で最も多いのは、いわゆる雇用のミスマッチであります。新入社員はやりたいことを夢に描き、ロマンを抱いて入社します。当然みなさんもそうでしょう。ぜひともそうであってほしいと思います。
しかしながら、働き始めてすぐ「こんなはずじゃなかった」となるのです。なぜなら会社というのは組織であり、まずは組織における手順やルールをみっちり覚えるために、新人は来る日も来る日も退屈なルーティンワークを担当させられるからです。いかに大学で成績が良くても、学生時代にスポーツで名を挙げた人でも、会社においては1年目から大黒柱の活躍などできるわけがないのです。

フランスのノーベル賞作家アンドレ・ジイドは、「平凡なことを毎日、平凡な気持ちで実行することが非凡である」と言いました。
平凡で退屈なルーティンワークの経験こそ、後の人生に大きなプラスとなって返ってきます。平凡で当たり前のことを、まずはしっかりとできるようになることが重要であり、その積み重ねが将来、大きな仕事を成し遂げる土台になるのです。これは壁に当たったときも同じです。立ちはだかる山の頂を見てその大きさに圧倒され落胆するのではなく、足元を見ながら一歩一歩進んで行くことが、いつの間にか頂上にたどり着く道筋なのです。俗に3日、3ヶ月、3年と言われますが、これから先、悩んだりスランプに陥ったりしたときには遠い先を見るのではなく、目の前の小さな仕事を、何も考えずに一つずつ着実に片付けていくことを心がけて下さい。道は必ず開けます。

次にみなさんに心がけてほしいのは、配属された部署でその道のプロを目指せということです。
どんな小さな商売、どんな小さな世界でもいい、その道のプロフェッショナルを目指して下さい。プロフェッショナルになり、その道を極めることで、仕事の「肝(きも)」や「勘所」を学ぶことができます。そしてプロフェッショナルとして認められれば、みんなが話を聞きに来ます。それによってまた情報が集まり、さらに知識と経験が高められ、プロとしての領域が一層広がって行くのです。それらを極めた上で、いつか自分なりの知恵を絞って伊藤忠のために新しいビジネスを切り拓いていって頂きたい。
また、どんな仕事であれ、どんな分野であれ、その道のプロになることができた人は、将来どのような業界、部署においても活躍できるものです。

伊藤忠には果てしないフィールドがあります。選ばれて入社した誇りと自信、そして責任を持って、ここにいる仲間と切磋琢磨しながら思う存分活躍されることを期待しています。
みなさんの入社を心から祝福し、歓迎の挨拶と致します。