より効率的な働き方の実現に向けた取組について

~朝型勤務の正式導入~

2014年4月24日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岡藤正広、以下「伊藤忠商事」)は、今般2014年4月21日付での伊藤忠商事労働組合との労使合意に基づき、2014年5月1日より朝型勤務制度を正式に導入します。

正式導入にあたり

伊藤忠商事はかねてより社員の健康管理や効率的業務推進の観点から残業削減に努めてきており、これまでの取組から一定の効果は見られるものの、更なる残業削減は容易でないことから、業務遂行の一層の効率化の観点から2013年10月1日より朝型勤務のトライアル実施を開始しました。この取組の趣旨は、残業ありきの働き方を今一度見直し、所定勤務時間帯(9:00-17:15)での勤務を基本とした上で夜型の残業体質から朝型の勤務へと改め、効率的な働き方の実践を通して、総労働時間の削減を図るものです。更にこの取組が、一層の業務効率化や社員の健康の保持・増進に繋がるだけでなく、女性社員の活躍支援や社員の仕事と家庭の両立支援にも繋がるものと考えています。
今般、トライアル期間中のレビュー結果(以下「2.レビュー総括」)を踏まえ、本取組が経営改革に大きな効果を生むと判断し、正式導入を決定したものです。

レビュー総括(期間:2013年10月~2014年3月/対象:国内勤務社員 約2,600名)

(1)各現場における業務上の特段の不都合は発生しておらず、朝型勤務の取組の趣旨が社員に浸透(※1)し、効率化、健康管理、社員のモチベーション喚起の観点から本取組の効果が明確に出ています。
※1. 入退館状況(昨年度同時期比)
20時以降退館 : 退館者全体の約30% ⇒ 約7% 
22時以降退館 :      約10% ⇒ ほぼ0名 ※事前・突発申請者数名のみ
8時以前入館 : 入館者全体の約20% ⇒ 約34%

(2)特に、制度導入当初の狙い通り時間外勤務時間が大幅に削減(※2)され、徐々に多残業体質が払拭されつつあります。同時に早朝割増賃金(時間管理対象者:150%/時間管理対象外:25%)・軽食の無料配布分を含めても結果として、コストが削減(※3)されており、また電気使用量の削減(昨年度比6%減)にも効果が出ています。
※2. 時間外勤務時間実績(月/平均)(昨年度同時期比)
・総合職:49時間11分 ⇒ 45時間20分:約4時間減 ⇒ 延べ 約2,300時間減
・事務職:27時間3分 ⇒ 25時間5分 :約2時間減 ⇒ 延べ 約1,050時間減
                                           計 :延べ 約3,350時間減
                                    総計(6ヶ月実績) :延べ約20,100時間減
※3. コスト/月(昨年度同時期比)
・時間外勤務手当:早朝割増含め約7%減…① 
・軽食:平均約550名/日(東京:約500名/日、大阪:約50名/日)…②
・全体:時間外勤務手当(含む早朝割増)・軽食コスト含め約4%削減…①+②

(3)社員の反応として、夜の時間を活用してお客様との会食・社内のコミュニケーションの機会創出、家に帰っての家族との団欒、読書等自己啓発に費やす時間が増え、総じて「メリハリのある働き方」の実現に寄与している等、朝型勤務のメリットを実感している多数の社員から声があがっております。また、本取組については、業種・業界問わず注目されているのみならず、医学的な見地からも専門家に本取組が健康にもたらす有益性について効果がある旨ご意見を頂いております。

今後の方針

前述「2.レビュー総括」を踏まえ、トライアル期間中と同じ仕組にて正式に導入し、本取組を通した効率的な「働き方」の更なる意識改革を推進します。

トライアル期間中の仕組2014年5月1日以降

・深夜勤務(22:00-5:00)の「禁止」、20:00-22:00勤務の「原則禁止」。但し、やむを得ず20:00以降勤務が必要な場合は事前申請の上、認める。

・継続。

・早朝勤務時間(5:00-8:00)は、インセンティブとして、深夜勤務と同様の割増し賃金(時間管理対象者:150%/時間管理対象外:25%)を支給する。

※7:50以前始業の場合、5:00-8:00の割増率を8:00-9:00にも適用。
・継続。
・健康管理の観点から8:00前始業社員に対し、軽食を支給する。 ・継続。

最後に

今後、効率的な「働き方」を実現していくためには、何よりも社員一人ひとりの「働き方」に対する意識改革と併せて業務改革をバランスよく推進していく事が重要です。会社業績が好調である時こそ、より一層気を引き締めて業務の効率化を図り、常にお客様視点で対応できるよう、更なる社員の「働き方」に対する意識改革を推進していく所存です。