「未来の経営者」報奨制度導入について

~中長期業績連動型の株式給付型ESOP~

2015年3月11日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岡藤正広)は3月11日の経営会議において、一定以上の職責を担う従業員に対して、伊藤忠グループの未来を切り拓いていく「未来の経営者」候補としての経営参画意識を高めることを目的とした、中長期の会社業績に連動した株式給付型ESOPを導入することを決定致しました。

導入背景

伊藤忠商事は、2015年1月20日付にて、中国最大の政府系コングロマリットであるCITICグループ、タイのCPグループとの3社間で、戦略的大型業務・資本提携に関する契約を締結するなど、近い将来、当社が総合商社業界の先頭集団の一員と呼ばれるにふさわしい業績を達成し、更なる企業価値の向上を目指していく為の施策を積極的に講じています。そのためには、より効率的な経営を追求すると共に、中長期的な視点に立った経営を着実に実行していく必要があります。
その実現に向け、企業価値向上に対する従業員の意識を高め、更なる貢献を促すべく、今般、今後の成長を担うキーパーソンとなる当社の課長クラス以上の従業員を「未来の経営者」候補と位置付け、1999年に導入した業績連動型の報酬体系とは異なる、新たな概念に基づく本制度を導入することとしました。

実施概要

本制度は、米国のESOP(Employee Stock Ownership Plan)制度を参考にした信託型の従業員インセンティブ・プランで、当社の従業員のうち一定の要件を満たした者に対して、当社株式を交付する仕組みであり、その概要は以下の通りです。

(1) 今後新たに課長クラスに昇格する従業員に対して、100ポイントを付与(1ポイント=1株)。
(2) その後、部長クラス昇格時に400ポイント、部門長クラス昇格時に500ポイントを追加付与。
(3) 付与された累計ポイントに、ポイント付与以降、在職期間中の当社連結業績に連動した乗数(最大10倍)を乗じ、退職時に当社株式を無償交付(最大10,000株)。

本制度は、課長クラス昇格から長期間に亘り、個人の経営貢献と当社の業績に連動して交付株式数が大きく変動することが特徴であり、本制度を通じて課長クラス以上の従業員の経営参画意識を高め、当社のコーポレートメッセージである「ひとりの商人、無数の使命」に資する経営貢献を促すことが可能と考えています。また企業価値の増大を通じて、株主の皆様を初めとした多様なステークホルダーの皆様ともメリットを共有できるものと考えています。

本制度のスキーム

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① 従業員福利厚生制度の一つとして本制度を導入し「株式給付規程」を制定。
② 対象となる従業員を受益者とする「金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)」を設定。
③ 信託された金銭により、株式市場からの買付け等により株式を取得。
④ 信託内株式に対して配当を分配。
⑤ 従業員の利益を保護し、受託者の監督をするため信託管理人を選任。信託期間を通じ議決権は行使しない。
⑥ 将来交付する株式を計算する為のポイントを付与。
⑦ 株式を交付。

スケジュール

今後は、制度の詳細設計を行い、株式給付規程、信託契約を作成し、2015年7月1日から実施予定です。