2016年度 入社式 社長メッセージ

2016年4月1日

おはようございます。社長の岡藤です。本日ここに、総合職141名、事務職11名、合計152名の新しい仲間を迎えることができましたことを大変嬉しく思います。今年度も非常に多くの方が伊藤忠商事を志望され、応募・受検されました。皆さんはそのような高い競争倍率の難関を見事突破し、選ばれて伊藤忠商事に入社されたわけであります。

皆さんにとって今年は生涯忘れられない年だと思いますが、一方、伊藤忠にとっても歴史的な年になりそうです。近く発表する2015年度決算では長年の悲願である連結純利益商社No.1の座を奪取する見込みであります。 トップとなれば、周りから見られる目が変わってきます。皆さんは商社No.1となった伊藤忠に入社する栄えある一期生です。是非その喜びと責任を噛みしめながら私の話を聞いて頂きたいと思います。本日は皆さんのめでたい門出にあたり、すぐに実践して頂きたいことを2点申し上げます。そしてそれをお祝いのことばにしたいと思います。

まず1点目として、『社会人生活をスムーズにスタートさせるための秘訣』をお教えしたいと思います。伊藤忠は自由闊達な会社です。若いうちから色々なことにチャレンジする機会が与えられます。しかし、一人一人に与えられる裁量も大きい代わりに責任も重いものになります。本日より皆さんは「伊藤忠の代表」として社外から見られています。「後でやればいいや」と思い、やるのを忘れてしまったり、約束や納期に遅れてしまうと信頼を大きく損なうことになります。一度お客様や上司、仲間から「こいつは頼りにならない」と思われてしまうとスタートから出遅れてしまいます。お客様や上司から言われたことは期限までにすれば良いと考えず、何をおいても最優先で仕上げるように心がけてください。最初はうまく出来なかったり、頓珍漢な結果になったりすることもあるでしょう。しかしながら周りはその仕事の内容の良し悪しよりも、むしろ皆さんの「仕事に取り組む姿勢」を見ているものであります。一つ一つ仕事を確実に仕上げ、積み上げることによりお客様や周りの信頼を得て、また何よりもその達成感が皆さんの自信となり、成長の糧となるはずであります。

2点目は『その道のプロを目指して頂きたい』 ということであります。皆さんは今、色々な「夢」を思い描きこの式に 臨んでいると思います。しかし、必ず入社2~3年以内に夢と現実とのギャップに思い悩むことになるでしょう。配属や仕事が自分が思い描いていたようなものでないとか、あるいはこの会社は自分に向いていないのではないかと思うこともあるでしょう。これは正常なことで、私も含めすべての人でもそういった「壁」に直面するものであります。しかし、そんなことで腐ってはいけません。逆に、「あ、これが社長が言っていた壁だ」と冷静になってもらいたいと思います。得てしてそのようなときは仕事の本質が良く見えておらず、中途半端な情報を元に考えすぎたり、視野が狭くなっていることが多いものであります。まずは何も考えず、持ち場で与えられた仕事を極めるべく没頭してみてください。プロ野球選手はスランプに陥ると何も考えずに、無心に素振りを繰り返すことで克服するといいます。頭だけであれこれ考え悩むことはスランプをより深くするだけです。仕事を極め、「それについてはあいつに聞けば分かる」と周りから認められれば、皆さんは周囲から頼られ、仕事の領域、知識や経験が一層広がって行きます。気が付けばいつの間にかどんな逆境でも新しいビジネスを切り拓いていく伊藤忠らしい行動力や判断力がつき、思い悩んでいた時と全く違う見え方になっているはずであります。

皆さんは未来を切り拓く、「野武士集団」伊藤忠の商人魂を持つ逸材と見込まれ、この場に集められました。今後の伊藤忠の飛躍は皆さんの活躍に掛かっています。力を合わせ、新しい時代を作って行きましょう。選ばれて入社した誇りと自信をもって、思う存分力を発揮されることを期待しています。皆さんの入社を心から祝福し、歓迎の挨拶と致します。