2018年 社長年頭挨拶

2018年1月4日

本日9:00より、東京本社1Fロビーにて、新年祝賀式が開催され、約2,000人の社員が参加しました。社長挨拶に引き続き、女性4人による弦楽四重奏団「ルピナスカルテット」が新年の門出を祝して演奏を披露しました。最後は恒例となった伊藤忠グループ応援団によるエールで今年一年の門出を祝しました。
当社社長 岡藤正広による「2018年年頭挨拶」を下記の通りお知らせします。

                             記

明けましておめでとうございます。
ご家族・ご友人と年末年始を過ごされ、充分に英気を養い、新たな気持ちで本日を迎えられたことと思います。年頭にあたり、日本および世界の伊藤忠グループの皆さんに、一言ご挨拶を申し上げます。

昨年を振り返りますと、伊藤忠にとって多くの目標を達成できた1年でした。2016年度決算に続いて2017年度上期決算も過去最高益を更新し、株価も11月に2,000円を突破し、12月29日に史上最高値である2,127円をつけ、時価総額は3.5兆円に達しました。そして、ムーディーズの格付けがA格に上がり、20年越しの悲願を達成できました。働き方改革や健康経営についても、一層充実した仕組みを導入できたと思います。

一方、経済環境については、日本は消費者マインドの回復がやや遅れているものの、デフレ脱却に向けて着実に進んでいます。世界経済においては、先進国・新興国とも安定成長が続いており、この流れは今年も続くと予想されます。北朝鮮情勢や、米国トランプ政権の政策動向、EU離脱に向けた英国内の混乱といったリスク要因による世界情勢の急変には引き続き注意が必要ですが、伊藤忠にとって最重要市場となる中国では、10月に共産党大会が終わり、いよいよビジネスが動き出す環境になりました。

さて、伊藤忠グループの2018年ですが、まずは2017年度計画を着実に達成し、現中期経営計画「Brand-new Deal 2017」の総仕上げをおこないます。その上で、ビジネスモデルを積極的に進化させる1年にしたいと思います。皆さんご存知のように、世界ではAIやIoTといった次世代・新技術の活用により、「第4次産業革命」とも言われるようなビジネスモデルの大変化が起きています。いろいろな規制で守られた日本にいると、世の中の動きの速さを感じにくいことがありますが、今年は特に大きな変化の年になるはずです。昨年の好業績の余韻に浸っている時間はありません。守りに入ってしまうと、あっという間に世界の動きに乗り遅れてしまいます。今日からは、昨年の良い業績はすべて忘れて、新しい心構えでゼロからスタートを切るという決意が必要です。

本来、総合商社は、世界の最先端の動きに敏感に反応して商売を工夫するのが持ち味です。これまで、「かけふ」の「か」については、皆さん得意だということで、特には言ってきませんでしたが、これからは「稼ぐ」も進化させる必要があります。時代の流れに対して危機感を持ち、常に何か新しいことに挑戦するというハングリー精神を忘れず、できない理由を探すのではなく、とにかく試行錯誤してやってみることを心掛けてください。

今日から新たな気持ちで業務に取り組んでいただき、市場の変化を先取りしてビジネスモデルを進化させ、伊藤忠グループがさらに飛躍する年にしたいという思いを込めて新年の挨拶といたします。