2018年度 入社式 社長メッセージ

2018年4月2日

皆さん、おはようございます。社長COOの鈴木です。

本日ここに、総合職127名、事務職10名、合計137名の新しい仲間を迎えることができましたことを大変嬉しく思います。

私自身も、本日が社長COOとしてのスタートの日です。皆さん同様、新人のようなフレッシュな気持ちでおります。

伊藤忠は、ここ3年間、最高益の更新が続いています。2015年度、連結純利益において商社No1、2016年度には史上最高益を達成。近く発表する2017年度決算も、史上最高益を2年連続で更新する見込みです。

その一方で、世の中は、すごいスピードで変化しています。「第4次産業革命」という言葉を皆さん知っているでしょうか?世界の企業の時価総額を見ても、10年前はエクソンやGE、CITIグループが上位でしたが、今やApple、Google、Amazon、Microsoft、FacebookなどのIT企業が上位を占めています。

10年後、恐らく、企業の淘汰は更に進み、ネット企業がその業態をネット通販から物流、卸、そして決済・金融、保険といういわゆる商社が強みを持つ分野までカバーしているとすると、伊藤忠のビジネスモデルも大きな影響を受けることになります。

このような状況の中、伊藤忠の目下の命題は、旧態依然とした古いビジネスモデルは早急に「進化」させ、また、衰退していくであろう機能や産業分野の資産は入れ替えていくということです。良い時だからこそ、将来のことを考え、戦略を立て、それを実行に移すことが、我々経営陣の現在の大きな課題です。 

新入社員の皆さんには、好調な伊藤忠に入ったと同時に、これから変わっていく時代の伊藤忠に入ったという意識をしっかり持っていただきたいと思います。難関を乗り越え入社された優秀な皆さんですが、これからが本当の人生をかけた勝負と思ってください。

伊藤忠のDNAは「失敗しないことより、失敗しても起き上がることを良しとするところ」にあります。大きな発想の転換や思い切った選択をし、失敗をおそれず新しいものにチャレンジするのが伊藤忠の社風です。近江商人・伊藤忠兵衛が峠を越えて「持ち下り」を考案した昔から、民間初の通信衛星を打ち上げた80年代、ファミリーマートに投資した90年代、そして最近ではドールや、CITICという中国への大きな投資も、全て総合商社初の事業でした。

これから始まる皆さんの商社パーソンとしての人生を、伊藤忠同様、是非「挑戦」と「進化」の歴史にしていただきたいと思います。
そのため、皆さんに贈る言葉は、三つ、「謙虚」、「勉強」。そして、「挑戦」ということです。

まずは、謙虚に学ぶこと。 常に勉強を怠らないでいただきたい。そして、自分に与えられた仕事をまずはしっかりと身につけ、そしてその分野のプロになることをまずは目指していただきたい。プロというのは、常にアンテナを高くし周りの動きをつかむことができる人ですが、そのためには、傲慢さを捨て、お客様や上司、同僚に学び、常に教えを乞う謙虚さが大切になります。 

更に、プロ中のプロ、真のプロフェッショナルは、常に挑戦し、イノベーションや進化を起こしていく人です。勝つか負けるは僅かな差です。叩き上げたスキルを用いて「知恵」を出し、次は勇気をもって人より一歩前にでる、挑戦する人材になっていただきたいと思います。

総合商社で最も古い歴史を誇る伊藤忠は、今年で創業160年目を迎えます。皆さんが、将来還暦を迎えるころ、伊藤忠は創業200年を迎えることになります。その時を、皆さん一人ひとりが、「伊藤忠の歴史を更に発展させた、進化させた」という達成感を持って迎えられるよう、決意を持って伊藤忠人生のスタートを切っていただきたいと思います。

改めて、皆さんの入社を心から祝福し、また、本日から始まる皆さんの伊藤忠人生での活躍を祈念して、私の歓迎の挨拶と致します。