世界最大規模 インドネシア・サルーラ地熱IPPプロジェクトの最終号機の商業運転開始について

2018年5月9日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:鈴木善久、以下、伊藤忠商事)が参画する世界最大級のサルーラ地熱IPP事業(以下、本プロジェクト)が、2018年5月4日より最終号機となる3号機の商業運転を開始いたしましたので、お知らせいたします。

本プロジェクトは、2004年のインドネシア国有電力公社(以下、PLN)による事業権入札から、2007年の売電契約締結を経て、出資パートナーと長きにわたり取り組んでまいりました。この3号機完工により、当初計画通り、3機合計の総出力約330MW(インドネシアでの約210万世帯の使用電力量に相当)での商業運転を開始する事となります。
これは単一開発契約の地熱IPP(独立発電事業)として、世界最大規模のものです。また、本プロジェクトは株式会社国際協力銀行、アジア開発銀行及び市中銀行による、初の新規地熱IPP向けの協調融資案件であり、総額約1,170百万米ドルのプロジェクトファイナンスが適用されています。これは地熱IPP向けのプロジェクトファイナンスとして前例を見ない規模です。

インドネシアは世界有数の地熱源保有国であり、同国は地熱を戦略的な電力源として位置付けています。サルーラ地域では更に多くの地熱資源の開発が可能と期待されており、今後は本プロジェクトの拡張も検討してまいります。

伊藤忠商事が関与する海外及び国内の再生可能エネルギーを活用した総発電容量は、本プロジェクトを含め2,000MWを超えます。伊藤忠商事は本プロジェクトを通じて、インドネシアにおける電力の安定供給と共に、地熱・風力等の再生可能エネルギーを活用した発電事業を推進してまいります。

また、本プロジェクトの事業会社は発電所の周辺地域において積極的にCSR活動を行っており、伊藤忠商事は今後も本プロジェクトを通じて、地域社会との共生を図り、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

サルーラ地熱発電所写真(2・3号機)

発電所周辺地域の住民と事業会社スタッフのCSR活動の様子(小中学生を対象とした無償の英語学習コース)

本プロジェクトの位置図

サルーラIPP地熱プロジェクトの概要

建設地 インドネシア共和国 北スマトラ州 サルーラ地区
(インドネシア第4の都市メダンから南へ約350km)
事業内容 地熱資源開発から発電までの一貫開発
30年間に亘りPLNへ売電
出力 約330MW (3系列)
事業会社 Sarulla Operations Ltd
(社長:油屋 真一(伊藤忠商事より出向))
出資者 九州電力株式会社                 25%
伊藤忠商事株式会社                25%
PT Medco Power Indonesia         18.9975%
国際石油開発帝石株式会社          18.2525% ※1
Ormat Technologies, Inc.           12.75%
  • ※12015年に国際石油開発帝石株式会社が100%子会社を通じ、Medco子会社の49%の株式を取得し、本プロジェクトに参画。

本プロジェクトの経緯

2004年 PLNが事業権入札を実施
2007年 本プロジェクトの事業権を獲得
2014年 ファイナンスクローズ
2017年3月 初号機商業運転開始
2017年10月 2号機商業運転開始