AI技術を活用した次世代蓄電システム販売開始について
分散型エネルギー社会の実現に向けて
2018年10月24日
伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:鈴木善久、以下「伊藤忠商事」)は、英国のMoixa Energy Holdings Ltd. (以下「モイクサ社」)、株式会社エヌエフ回路設計ブロック(以下「エヌエフ回路社」)、TRENDE株式会社(以下「TRENDE社」)と連携し、AI技術を活用した次世代蓄電システムならびに蓄電池専用電力料金プランの販売を開始いたします。
昨今、日本各地で豪雨や地震などの自然災害が相次ぎ、停電が広範囲で発生していることから、家庭における災害時の電力対策にも注目が集まっております。伊藤忠商事は分散型エネルギーの基幹システムとなる蓄電池市場に早くから着目し、2013年より一般家庭用蓄電池ビジネスに参入しました。エヌエフ回路社とともに開発・製品化しました独自ブランドの蓄電システム「Smart Star L」は、2018年10月時点で累計約10,000台(95MWh/30MW相当)の販売実績となりました。
2009年に開始した太陽光発電の固定価格買取制度(以下「FIT」)期間が2019年10月より順次終了していくことから、今後は太陽光で発電した電気を自宅で使う「地産地消」の流れが拡大すると見込まれております。よって、蓄電システムには毎日変動する天候、各家庭における太陽光の発電状況、電力消費量など、様々な変動要素を考慮に入れた制御を求められることになります。
このたび、本年1月にモイクサ社より国内独占販売権を取得しましたAIソフトウェア「GridShare Client」の国内仕様化が完了し、伊藤忠商事は「Smart Star L」と「GridShare」を連携させた次世代蓄電システムの販売を2018年11月より開始いたします。本製品は、Smart Star Lが持つ停電時に強みを発揮する従来の特長に加え、AIが気象予報やユーザーの電力需要・発電予測等を分析・学習し、エヌエフ回路社のIoT遠隔制御システムと連動して蓄電池の最適充放電制御を行う事で、太陽光ならびに蓄電池の効率的な運用を可能にいたします。また、TRENDE社よりリリースします、次世代蓄電システム専用時間帯別電力料金プラン「あいでんき」(*1)をご活用いただくことで、ユーザーの皆様により蓄電池の導入効果を実感いただける提案が可能となります。
将来的には「GridShare」プラットフォームを基盤としたバーチャルパワープラント事業(*2)やEV充電マネジメント、送配電事業者、発電事業者向けエネルギーサービスや、一般需要家間の電力個人間(P2P)取引など、多様なビジネス展開を図り、分散型エネルギー社会実現に向けて貢献して参ります。
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*1あいでんき :詳細については下記をご参照ください。
https://idenki.jp -
*2バーチャルパワープラント :
点在する蓄電池や電気自動車等の分散エネルギー源を、電力系統の需給に合わせて、あたかも一つの発電所(仮想発電所)のように統合的に制御する次世代電力ビジネスモデル。
グリッドシェアプラットフォームを活用した将来のビジネス展開図(イメージ)
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