inQs(インクス)への出資比率を引き上げ、産業分野のIoT化を推進

極低照度対応型の光発電素子を世界初、量産化実現

2018年11月9日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:鈴木善久、以下「伊藤忠商事」)は、資本提携先の極低照度対応型太陽電池(光発電素子)製造・開発ベンチャーinQs株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:伊藤朋子、以下「インクス」)への出資比率を19%まで引き上げ、同社製品の販売及び新規ビジネスモデルの構築を共同で行い、産業分野におけるIoT化を進めていくことで合意致しました。

製造業の大変革である「第4次産業革命」の中核技術であるIoTにより、工場の機械の稼働状況から、交通、気象、個人の健康状況まで様々な情報をデータ化、解析・利用することで、新たな付加価値が生まれ、そこで使用されるIoTデバイスは今後飛躍的に増加、2020年には300億個を超える規模になると予想されますが、その電源確保には大きな課題がありました。IoTデバイスの設置先は、工場内や災害危険箇所など日照条件が悪い場所が多く、従来の太陽電池は発電出来ませんでした。一方、電源の有線接続は、導入コストの7~8割を占める過大な配線コスト、電池は、その交換の手間を減らす為に、データ通信の頻度を犠牲にせざるを得ないなどの問題がありました。

インクスは暗い室内においても自立電源として高効率に発電し、電池交換を不要とする、極低照度対応型光発電素子を世界で初めて開発しましたが、この度、その量産化に成功し、2020年には月産100万個の製造を計画しております。これにより、工場内の様々な産業機械に設置されるIoTデバイスが常時インターネットにつながり、産業分野でのIoT化を加速させます。また、インクスは、火気厳禁のプラント設備向けには、衝撃等による火花や暴発の発生を防ぐ、防爆仕様の特殊なモジュール製品を開発、設備の可視化、データ解析サービスを始める予定です。更に、ビーコン(位置情報発信)製品も開発し、認証を取得しました。米国では、現地大手有力企業が加盟する先端技術推進団体と、近く製品の実証実験を開始します。

<極低照度型光発電素子>

通常モジュール製品

防爆仕様モジュール製品

伊藤忠商事は今回の出資を機に、国内を始め、欧米・中国・アジア地域において、産業機械販売や工場設備建設で培った経験や取引先網を活用して、インクスの基盤技術の国内外での商用化、新たなサービス開発を推進し、2020年に向け新しいIoTの扉を開くことを目指すインクスを全力で支援致します。