中国における医療関連ビジネスへの参入

透析分野のソリューションプロバイダー「杏泰医療集団」並びに大手病院グループ「北京世紀康瑞病院」への出資参画について

2019年3月29日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:鈴木善久、以下「伊藤忠商事」)は、この度中国において以下の出資を実施し、中国における医療関連ビジネスに本格的に参入いたします。

1.透析分野のソリューションプロバイダー「杏泰医療集団」への戦略的事業投資:

急速な拡大が見込まれる中国の透析市場へ参入するため、杏泰医療集団(以下「SUNTOP」)への戦略的投資を実行し、持分20%を取得いたしました。

中国では、急速な経済発展を背景に生活習慣病患者が増加しており、透析患者は現在約50万人、透析が必要な潜在患者は近い将来に200万人に増えると見込まれております。この様な状況下、中国政府は2016年12月に民間資本を活用した透析治療施設の整備を促進する政策を発表し、現在で民営の独立型透析クリニックの開設が積極的に進められております。

SUNTOPは、2003年に日本製透析機材の中国に於ける販売代理店から事業を開始し、現在は約1,000ヶ所の病院内透析センターとの取引関係を構築しています。同社は、透析機材の販売だけに留まらず、病院内透析センターの企画立案、設計、保守、医師及び看護師への教育研修支援、透析患者の教育支援等を、透析分野に於けるソリューションプロバイダーとして包括的に提供する事業を展開しております。加えて2018年には中国政府の政策の後押しを受ける独立型透析クリニック事業にも参入し、中国全土に積極的に透析クリニックを展開していく計画です。

伊藤忠商事は、SUNTOPの事業拡大および企業価値向上に貢献すべく、透析関連分野に於ける有力メーカーとSUNTOPとの関係構築、日本の医療機関との連携によるSUNTOPの独立型透析クリニックに於ける透析治療の質の向上及び効率的な施設運営の実現を積極的に支援して参ります。
日本の透析治療は世界最高水準の治療成績を残しており、伊藤忠商事は本事業を通じて中国に於ける透析患者のQOL改善、ひいては中国国民の健康に資する事業となることを目指します。

出資先企業概要

出資先 Richbase Limited
本社所在地 サモア
設立年月 2003年3月
代表者 黄紹庭
事業内容 透析機器等の販売、保守、人材教育支援等および透析クリニック運営事業

2.中信資本との中国大型総合病院事業への投資:

中国中信集団(CITICグループ)傘下の中信資本(本社:香港中環添美道1号中信大厦28楼、董事長:张懿宸、以下「中信資本」)と共に、北京にある大型民営総合病院「北京世紀康瑞病院」に投資致しました。 

伊藤忠商事は、中信集団傘下の中信資本を中国の医療関連ビジネス分野での戦略的パートナーと位置付け、中信資本と連携して中国での病院関連事業への参入を推進します。今回の投資では拡大する北京市内の医療需要に対応し、必要資金を供給する事で民営病院の成長を加速させ、これに当社が持つ日本式の病院運営管理サービス、病院関連事業の受託運営サービスの提供を狙うものです。また、日本の医療機関と連携し、日本製医療機器、サービスの北京世紀康瑞病院への展開や、中国人患者のインバウンド治療、健診ニーズへの対応も検討します。

中国政府の医療政策は、医療費を抑制しながらも増え続ける医療需要に対応する為、民間資本の活用を進めており、民営病院の拡充と公立病院からの患者のシフトを支援しています。生活レベルが向上し、高齢化が進む中国の都市部では、医療需要が急増、同時に効率的な病院運営が求められている為、日本式の経営管理やサービスに対する需要があると考えております。

今回の投資並びに医療関連ビジネスの展開を通じて、今後病院事業の拡大・横展開を視野に入れ、CITICグループ傘下の企業と連携して、透析分野を含め中国・アジアにおける医療関連ビジネスのネットワークの構築に取り組んで行きます。

(1)中信資本の概要:

会社名 CITIC Capital Holdings Ltd.
所在地 香港
設立時期 2002年
事業内容 投資会社(取扱い資産高220億米ドル)

(2)北京世紀康瑞病院の概要:

北京市朝陽区を中心に11病院(計7,000床)を展開する民間資本の総合病院グループ。
今後5年以内に20,000床へ拡大を検討中。