株式会社ユーグレナとの微細藻類ユーグレナ海外培養実証事業開始に向けた覚書の締結について

2019年6月19日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:鈴木善久、以下「伊藤忠商事」)は株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社長:出雲充、以下「ユーグレナ社」)と、火力発電所から排出される二酸化炭素や熱を利用した微細藻類ユーグレナの海外培養実証事業を開始するにあたり、覚書を締結しました。

微細藻類ユーグレナは、光合成※1により二酸化炭素を吸収するとともに、酸素を発生させながら炭素を蓄え、成長するという特徴を有しています。本実証事業では、微細藻類ユーグレナが二酸化炭素を吸収して増殖し、培養された微細藻類ユーグレナからは飼料及びバイオ燃料の原料が生産されます。なお、初めに開始する培養実証試験は、生産コストや培養環境の観点よりインドネシア共和国を選定しました。その他候補国につきましては現在検討中です。今回の業務提携により、ユーグレナ社はインドネシア共和国及びその他候補国における微細藻類ユーグレナ現地株の単離・収集そして育種・培養に関する実証試験を、伊藤忠商事は実証事業の候補地リサーチ・交渉・資材調達支援・生産物の販売可能性調査などの海外進出・事業化支援を行います。
本事業は二酸化炭素を排出する既存発電所や工場への適用が可能であり、幅広い産業への展開が期待されます。

昨今、地球温暖化問題を背景とした、次世代の技術革新によるエネルギーの低炭素化や、肉食・魚食志向の高まり・人口増に対応した、蛋白源の安定供給が社会共通の課題となっています。その中で本事業は、二酸化炭素の有効活用(CCU)技術推進に寄与することに加え、飼料の安定供給を通じて、将来の食糧危機解消に繋がる取り組みとなります。

ユーグレナ社は2005 年に世界で初めて石垣島でユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功し、生産した微細藻類ユーグレナなどを活用した機能性食品、化粧品等の開発・販売を行っています。
伊藤忠商事は国内外における伊藤忠グループのネットワークや海外展開のノウハウを活かし、既存事業・ビジネスとの相乗効果を創出します。

本事業は伊藤忠商事が環境・社会・ガバナンス(ESG)の視点を取り入れ特定した、サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)である「気候変動への取り組み(低炭素社会への寄与)」「技術革新による商いの次世代化」「安定的な調達・供給」を解決する取り組みであり、また、2015年に国連で採択された、「持続可能な開発目標(SDGs)※2の達成にも貢献するものです。

伊藤忠商事は今後もこれらの重要課題に本業を通して取り組むことで、世界の持続可能な発展に向けて積極的に関与して参ります。

微細藻類ユーグレナについて

微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)は、植物と動物の両方の特徴を持ち、ビタミン類やミネラルなど豊富な種類の栄養素をバランス良く含む藻の一種です。2005年に株式会社ユーグレナが世界で初めて食用屋外大量培養に成功しました。

  • *1植物や藻類などの生物が光エネルギーを使って水と二酸化炭素から炭水化物(デンプン等)を合成するプロセス。
  • *2SDGs(Sustainable Development Goals):国連加盟国が2015年9月に採択した2030年までの持続可能な開発目標。