セルビア共和国ベオグラード市PPP(官民連携)廃棄物処理発電事業の着工について

2019年10月2日

伊藤忠商事株式会社(代表取締役社長COO:鈴木 善久、本社:東京都港区、以下「伊藤忠商事」)、水・環境インフラ大手の仏スエズ社、再生可能エネルギー等への欧州の投資ファンドであるマルガリータファンドの3社が出資する事業会社BEO ČISTA ENERGIJA.社(以下「BCE」)は本日、総額約3億ユーロ相当のプロジェクトファイナンスベースの融資契約(以下「融資契約」)を、世界銀行グループである国際金融公社、欧州復興開発銀行、オーストリア開発銀行(Oesterreichische Entwicklungsbank)と締結致しました。

BCEは既に建設開始に必要な許認可を取得しており、これより建設工事を開始し、2022年の完全操業を目指します。

本事業は同国最大の環境社会問題の一つとなっているドナウ川沿いに位置するVinča(ヴィンチャ)廃棄物最終処分場を閉鎖し、適切な管理を行う事でその問題を解決に導くものです。
また、廃棄物を焼却処理した際の余熱及び埋立場の廃棄物より発生するメタンガスを活用した発電・発熱施設を建設し、建設廃材処理施設、廃棄物から出る汚染水の浄化処理施設と共に25年間に渡って運営を行います。
本事業によって化石燃料に頼る事なく、約3万軒の国内家庭電力消費量に相当する電力供給、及び冬場のピーク時にはベオグラード市のKonjarnikプラント熱供給の8割を供給する事が可能となります。
また、埋め立てられる廃棄物を削減する事により、廃棄物から発生する温室効果ガスの削減にも寄与します(25年間でCO2約300万トン)。

本事業はセルビアの環境・廃棄物管理政策のEU基準適合への道筋の核をなすものであり、現在EU加盟交渉中のセルビアにとって最重要事業の一つと位置づけられています。

伊藤忠商事はこれまでスエズ社と共に、英国のサウスタイン&ウェア事業(2011年4月28日付当社プレスリリース)、コンウォール州事業(2013年4月12日付当社プレスリリース)、西ロンドン事業(2013年11月28日付当社プレスリリース)、マージーサイド州事業(2013年12月24日付当社プレスリリース)で同様の取組をしており、同国の廃棄物焼却処理市場約15%にあたる年間約130万トンの廃棄物を処理しています。

英国の4事業、セルビアでの本事業の経験を活かし、廃棄物処理ビジネスを通じて世界各地にて持続可能な地域社会の実現、自然環境への負荷軽減に貢献してゆく方針です。

Vinča廃棄物最終処分場

ベオグラード廃棄物処理発電事業プロジェクト概要

事業用地 セルビア共和国ベオグラード市Vinča(同市中心部から約15km)
事業内容 廃棄物処理発電施設(処理容量年間34万㌧)及び付帯設備の新設・運営
建設廃材処理施設(処理容量年間20万㌧)の新設・運営
既存Vinča最終処分場の閉鎖処理・管理
新規最終処分場(7百万m3)および付帯設備の新設・運営
事業運営期間 25年
事業主体 Beo Čista Energija d.o.o. Beograd
出資比率 I-Environment Investment Ltd.(伊藤忠商事100%子会社) :40%
スエズ 社: 40%
マルガリータファンド:20%
契約先 PPP契約(ベオグラード市)
売電契約 (セルビア国営電力公社)
売熱契約 (ベオグラード市営公益事業公社)