蓄電システム合弁会社の設立について

2019年11月25日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:鈴木善久、以下「伊藤忠商事」)は、株式会社エヌエフ回路設計ブロック(本社:神奈川県横浜市、代表取締役会長:高橋常夫、以下「エヌエフ社」)と、両社の共同開発による蓄電システム(Energy Storage System:ESS )事業(以下「対象事業」)を、両社が出資する合弁会社による合弁事業として実施することに関し合意しました。合弁会社名は「株式会社NFブロッサムテクノロジーズ(「以下同社」)」を予定しております。

気候変動に伴う様々な環境リスクに対し、低炭素化社会を目指した、再生可能エネルギー導入が各国で進み、日本においても太陽光発電、風力発電の導入が積極的に進んでいます。一方、再生可能エネルギーは電力供給の安定化が課題であり、調整弁としてのESSは再生可能エネルギー普及のための解決策として期待されています。家庭用途では太陽光のFIT(Feed–in Tariff:固定価格買取)制度が19年11月より順次終了することから、自宅の太陽光発電設備で発電された電力を自家消費するために、今後5年間で160万世帯の家庭用ESSの潜在市場が生まれると想定されています。また台風などの自然災害時の停電対策としてもESSは注目を浴びており、最近発生しました大型台風による停電時にも、停電エリアに設置された数千台の当社ESSの稼働が確認されました。

伊藤忠商事とエヌエフ社は2011年に業務用ESSの分野で取引を開始し、2014年から家庭用ESSの共同開発・展開を行っております。伊藤忠商事が総販売元、エヌエフ社が製造元として、両社が共同開発・展開する伊藤忠商事独自ブランドの家庭用ESS「Smart Star」シリーズは、停電時に太陽光発電システムと連動した自立運転機能や英国モイクサ社のAIソフトウェア「グリッドシェア」との連携などの独自機能を保有する家庭用ESSとして順調に販売を伸ばしております。今後拡大するESS市場に対し、伊藤忠商事とエヌエフ社は合弁会社として同社設立後に最大年間6万台までの生産能力を有する新工場建設、また顧客対応や保守体制の強化を行い、対象事業に関する製品開発、生産、カスタマーサポートを同社が一貫して行います。

伊藤忠商事はグローバルな電池調達や販売店とのマーケティング、海外事業展開(特に今後伸長が予測される米国、豪州市場を想定)等で同社の企業価値向上に貢献し、同社は、自社の開発力並びに伊藤忠商事が独自に収集したマーケットの“ニーズ”を具現化する技術力を活かして、①国内ESSのさらなる商品群の拡充、②海外市場向けESS、③電力用途及び産業用途の大型ESS、などの新規商品開発を行ってまいります。

伊藤忠商事は持続的な企業価値の向上に向けて、ビジネスの次世代化を進めています。伊藤忠商事は、蓄電池及び関連部材のビジネス展開に注力しており、エヌエフ社との同社設立は伊藤忠商事の蓄電池バリューチェーンのコア事業と位置付けております。これまで培って来た電池ビジネスをエヌエフ社と共に更に進化させ、再生可能エネルギーの比率向上を通じた温室効果ガス排出削減、電力の安定供給化ならびに分散型エネルギー社会の実現に向けて貢献して参ります。

<参考>同社を活用した将来のビジネス展開図(イメージ)

会社概要

会社名 株式会社NFブロッサムテクノロジーズ
合弁会社設立予定 2020年2月(会社設立:2019年12月)
本社 神奈川県横浜市港北区
出資比率 エヌエフ社 60%:伊藤忠商事 40%
従業員数 38名(新工場稼働後は200名弱を予定)

<参考>家庭用蓄電システム「Smart Star」シリーズ