サウジアラビア/ジュベイル工業都市における廃棄物処理事業への資本参画について

2020年11月12日

伊藤忠商事株式会社(代表取締役社長COO:鈴木 善久、 本社:東京都港区、以下「伊藤忠商事」)は、水・環境インフラ大手の仏スエズ社、サウジアラビアの投資ファンドであるファイブ・キャピタル・ファンド社と共同で、サウジアラビア ジュベイル工業都市において工業系廃棄物処理サービスを提供するEnvironment Development Company (以下「EDCO社」)の株式65%を取得致しました。伊藤忠商事はEDCO社株式20%を取得することになります。

ジュベイル工業都市は、産油国サウジアラビアの基幹産業である石油化学産業発展のために1975年に設立された行政特区です。広大な敷地に世界の大手石化企業含め160社超が進出、欧州・アジア向けに石油化学製品を供給する世界最大の生産・輸出拠点の1つとなっております。EDCO社は、その巨大工業都市において工業系廃棄物の一貫処理サービス(収集・中間処理・処分)を提供する企業として2005年に設立、年間処理能力15万トンを有する同地域における廃棄物処理トップシェア企業です。

伊藤忠商事は2000年代より一般廃棄物処理事業の取組を開始し、英国で4事業・セルビアで1事業に参画、以後廃棄物処理分野における事業領域拡大・機能進化を目指して参りました。
また当社は、サウジアラビアにおいて1960年代より水分野の事業をはじめ幅広い分野に活動を広げており、廃棄物分野においては同国基幹産業である石油化学産業での事業可能性を調査検討して参りました。その過程で、環境規制厳格化の流れ・石油化学企業のESG/SDGs経営志向の高まりによる高水準な廃棄物の処理ニーズに着目し、今般EDCO社と同社の事業の更なる発展・強化を実現するべく同社への経営参画に合意致しました。

今後、同社に欧州基準の廃棄物管理手法を導入し同地域最高水準のサービスを提供する企業として、より一層サウジアラビアの産業発展・環境保全への貢献を目指します。
将来的にはサウジアラビアでの本事業の経験を活かし、今後成長が期待される同国内・中近東・アジア等における他工業都市において、工業系廃棄物処理事業の更なる展開を目指します。

本件は、SDGs以下5目標達成にも寄与し、持続可能な地域社会の実現・地球環境への負荷軽減に資する当社の本業を通じた取組みになります。

Environment Development Company (EDCO)について

会社名 Environment Development Company
URL http://www.edco.com.sa/index.html
設立 2005年
代表者 Abdulwahab Fayez Saeed Al-Ahmari
本社所在地 ジュベイル、サウジアラビア
従業員数 195名
廃棄物処理能力 年間150,000トン

スエズ社について

19世紀以降、スエズ社は人々の生活水準向上および経済成長に貢献することを目的に水・環境インフラにおける専門性を高めてきました。現在、約90,000人の従業員を擁し世界5大陸へ事業展開、年間7,100百万m3の浄水供給を含め64百万人向けに環境衛生サービスを提供しております。
スエズ社は水質管理・廃棄物処理・大気/土壌汚染浄化分野において革新的かつレジリエントな次世代ソリューションを通じ、自治体・民間企業におけるリソース最適化および環境・経済指標向上を目指しております。持続可能な経済成長へも貢献しており毎年20万人以上の雇用を創出、年間4.2百万トンの再利用製品製造しております。
同社は水・土壌・空気等の自然資本の保護にも努めており、国連が採択した2030年までに達成を目指す『持続可能な開発目標』へ貢献していきます。(2019年グループ売上:180億ユーロ)

ファイブ・キャピタル・ファンド社について

ファイブ・キャピタル・ファンドはフランス公的投資銀行(Bpifrance)およびサウジアラビア最大投資ファンドのキングダム・ホールディングスが共同設立した投資ファンドです。同社はサウジアラビア・湾岸諸国を中心に、プライベートエクイティおよび実物資産を中心に投資実行中です。