量子コンピュータ向けのソフトウェアを開発するZapata Computingへの出資について

2020年11月19日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:鈴木善久、以下「伊藤忠商事」)は、量子コンピュータ※1向けのソフトウェアを開発するZapata Computing, Inc.(本社:アメリカ ボストン、CEO & Co-Founder:Christopher J. Savoie、以下「Zapata」)へ出資致しました。今後、同社の国内展開を支援して参ります。

昨今、第4次産業革命に伴うデータ需要の急増と、従来型の古典コンピュータ※2の性能向上の限界により、半導体の処理能力に依存しない量子コンピュータが注目されてきております。ハードウェアの分野では、IBMやGoogle等、大手IT企業による開発競争が過熱していますが、現状各社が開発する量子コンピュータは、同一の様式や開発言語ではない為、アプリケーション開発等ソフトウェアの領域の需要が高まっております。加えて、量子コンピュータを利用する演算の大部分を現状は古典コンピュータが補う為、両コンピュータをハイブリッドに運用できる環境が求められております。

Zapataは、量子コンピュータ向けソフトウェア「Orquestra®(オーケストラ)」の開発で業界を先行するハーバード大発スタートアップです。同ソフトウェアは、異なる開発言語を変換可能とするコンバーター機能により、様式や言語の異なる量子コンピュータを併用利用することが可能です。また、従来型古典コンピュータと量子コンピュータ間にて演算順序やリソースの振り分けを制御し、古典コンピュータ環境でも量子アルゴリズムをシミュレートさせることが可能で、量子コンピュータの試験利用や本格導入の検討を効率的に実施することができます。このような強みから、すでに米国を中心として、石油、ガス、製薬、金融、自動車等、様々な業界のリーディングカンパニーに導入されております。

伊藤忠商事は、Zapataへの出資を通じて、グループのネットワークと知見を活かし、同社の日本展開を支援致します。また、クラウドを含めた大規模なシステム構築・運用など、ソフトウェアの領域に強みを持つ伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:柘植一郎、本社:東京都千代田区)と連携し、日本での量子コンピューティング領域における新たなサービスの開発や顧客の抱える課題解決に取り組んで参ります。

伊藤忠商事は、量子コンピュータが社会や企業活動に与え得るインパクトに以前より着目し、投資先である米国やイスラエルなどの有力ベンチャーキャピタルを通じて、量子コンピュータ領域の投資動向、技術動向に注視して参りました。今後も世界各国の有望なスタートアップとの協業により、国内外での新たなサービス開発や、事業会社各社の収益力向上、及び経済全体の活性化に寄与することを目指して参ります。

  • ※1量子コンピュータとは:量子力学の原理を情報処理に応用したコンピュータ。
    従来の古典ビット0か1かではなく、0と1の「重ね合わせ状態」も持つ量子ビットにより情報処理が実行される。
  • ※2古典コンピュータとは:古典物理学に依拠する論理回路で演算を行うコンピュータの総称。

Zapataが提供する量子コンピュータ向けソフトウェア「Orquestra®」の概念図