脱炭素化社会実現を目指した東シベリア-日本間のアンモニアバリューチェーンの共同事業化調査に合意

2020年12月24日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:鈴木善久、以下「伊藤忠商事」)は、イルクーツク石油会社(以下「IOC」)、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (以下「JOGMEC」)、東洋エンジニアリング株式会社(以下「TOYO」)と、東シベリア日本間のアンモニアバリューチェーンに関する共同事業化調査を実施することに合意いたしました。

本プロジェクトは脱炭素化社会実現の一助となる、商業ベースのブルーアンモニア*バリューチェーンの確立を目指すものです。伊藤忠商事とTOYOは、JOGMECからの委託を受けて、 ロシア東シベリアにおけるブルーアンモニアの生産および日本へ輸送するバリューチェーンの事業化調査を実施します。
アンモニアは一般に流通している液化石油ガス(LPG)の液化条件とほぼ同じであるため、同様のインフラで輸送、貯蔵することが可能です。アンモニアは、燃焼時に二酸化炭素を排出しないため、火力発電所や船舶用エンジンの次世代燃料としても注目を集めています。

  • *ブルーアンモニア:従来の化石燃料由来のアンモニア製造プロセスによって生成される二酸化炭素を地下に隔離するCCS(二酸化炭素回収・貯留)やCO2-EORの工程に加えることで製造されるアンモニア

東シベリア-日本間のアンモニアバリューチェーンフロー図(概念図)

また、次のステップでは、IOCが生産する天然ガスを原料にしたアンモニアの量産と、アンモニア製造時に発生する二酸化炭素を回収の上、シベリア東部の油田に圧入するCO2-EOR(CO2圧入による原油増進回収法)を組み合わせるブルーアンモニア製造輸送体制を検討する計画です。この実現により、大量生産されたブルーアンモニアが日本に安定供給されて、火力発電所の燃料等として使用されることを想定しています。

伊藤忠商事、IOC、JOGMEC、TOYOは4社の保有する技術、知見を活用した連携により、東シベリア-日本間のアンモニアバリューチェーンの確立に貢献し、ブルーアンモニアを燃料として導入することで温室効果ガス削減の取り組みを推進します。

伊藤忠商事は原油、石油製品、LNG、LPG等の豊富な貿易実績を有し、物流最適化のための知見に加え、東シベリアでの原油の探鉱・開発・生産でIOCとの協業実績があります。環境負荷への対応から今後燃料としての新たな市場が期待されるアンモニアの生産、効率的な輸送を実現して、日本市場にブルーアンモニアを安定供給することを目指します。