ナイロン循環リサイクルに関するAquafil社との業務提携締結について

2021年2月12日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:鈴木善久、以下「伊藤忠商事」)は、世界最大のリサイクルナイロンブランド「ECONYL® (以下「エコニール」)」を展開するAquafil S.p.A.(本社:イタリア、Chairman and CEO : Giulio Bonazzi、以下「Aquafil社」)とナイロン循環リサイクルに関するビジネスの推進、拡大に向けて業務提携を締結いたしました(以下「本提携」)。本提携を契機にナイロン廃棄物の回収からリサイクルナイロンを原料とした最終製品の開発、販売まで本格的に取り組んで参ります。

昨今、カーボンニュートラルの対応が世界中で急務とされる中で、石油化学製品のリサイクル比率の向上は最重要課題の一つと位置付けられています。ナイロンは石油由来の化学繊維及びプラスチック原料として、ファッション、カーペット、漁網、食品包材、自動車用部材等幅広い分野で使用される一方で、他原料との複合素材として使用されている製品も多く、リサイクルが難しい素材の一つでした。

Aquafil社は、独自の技術でナイロン廃棄物をケミカルリサイクルによって粗原料であるカプロラクタム(以下「CPL」)まで戻し、不純物等を完全に除去しバージン材と同等品質で再利用できる循環リサイクルシステムを構築し、2011年よりスロベニアにて漁網やカーペットなどの廃棄物を原料としてリサイクルナイロン「エコニール」の生産を開始しました。
エコニールは100%廃棄物からのリサイクルのため、石油由来の通常のナイロンに比べてCO2排出量を最大90%削減が可能です。環境配慮型素材としてファッション業界やカーペット業界等を中心に、全世界2000社以上の著名なブランドで採用されてきました。特にファッション業界においてはグッチ(Gucci)やバーバリー(BURBERRY) 、プラダ(PRADA)等の大手ファッションブランドから大きな支持を受け注目を集めています。

伊藤忠商事はナイロン原料であるCPL及びナイロンチップについて、数量ベースで世界最大規模の取り扱いをしており、伊藤忠商事の持つナイロンバリューチェーンの活用とAquafil社のエコニール事業の方向性が合致し本提携を締結するに至りました。今後は伊藤忠グループの持つ多様なネットワークを活かして、グローバルにファッションやカーペット、自動車用部材、包材等の用途向けに拡販してまいります。さらに既存の販売チェーンからの廃棄用ナイロンの回収スキームを構築する予定で、Aquafil社への原料安定供給の観点からも協業をすすめてまいります。廃棄物の回収から最終製品の販売までをAquafil社と共同で取り組むことにより、付加価値の高いナイロン循環リサイクルの拡大を目指します。

伊藤忠商事は次期中期経営計画の基本方針として、「『SDGs』への貢献・取組強化」を掲げており、ナイロン循環リサイクルビジネスの更なる拡大を通して、持続可能な循環型社会の発展に貢献してまいります。

エコニール技術を中心としたバリューサイクルの拡大に向けた今後の取り組み

・ナイロン廃棄物の回収(漁網、カーペット、廃棄衣料品等、国内含む全世界から回収)
・エコニールの日本、アジア市場を中心とした拡販(ファッション分野等)
・エコニールの新規用途開発(フィルム、自動車部材、漁網等)

Aquafil エコニール循環リサイクルイメージ