2021年 新入社員への社長メッセージ

2021年4月1日

入社おめでとうございます。本日ここに、総合職102名、事務職13名、合計115名の新しい仲間を迎えることができましたことを、大変嬉しく思います。

入社式は皆さんと一つの場所に集まり開催できることを願っていましたが、新型コロナウイルスの感染状況に鑑み、やむなく実施を見送りました。その代わり、本日朝、正面玄関において、満開の桜を飾り、レッドカーペットを敷き、岡藤会長と共に、更には世界中の伊藤忠の仲間をライブ中継で繋ぎ、皆さんの社会人としての第一歩をお迎えしました。

伊藤忠商事は、ここ10年以上、好調な業績を継続しています。
2018年度、2019年度はともに連結純利益が5,000億円超えを達成しました。コロナ禍の2020年度も、第3四半期までの累計で3,643億円を達成し、通期見通しに対しても順調に推移しています。

一方、当社を取り巻く環境は、大きく変化しています。
消費者ニーズの多様化が加速し、事業のデジタルシフトや事業構造の改革が求められています。新型コロナウイルスの感染拡大はこの流れに大きく拍車をかけています。
脱炭素化をはじめとする社会的ニーズの高まりから、より中長期的な視点に立った課題解決も求められています。

新入社員の皆さんは、好調な時に入社するのではなく、大転換期に入社するということを、しっかり自覚していただきたいと思います。

このような大転換期に入社される皆さんに伝えたいことがあります。
それは、伊藤忠の行動指針である「ひとりの商人、無数の使命」を常に心に留めて欲しいということです。

近年、企業経営におけるSDGsの重要性が一段と高まりを見せていますが、その中で、たびたび「三方よし」という言葉が引用されます。「三方よし」は当社の創業者である伊藤忠兵衛の経営哲学にルーツがあり、当社の経営理念です。創業の精神として受け継がれ、未来へも受け継いでいく商いの心です。そして、この「三方よし」を実現するための行動指針が「ひとりの商人、無数の使命」です。

伊藤忠は、創業から160年を超えました。振り返れば、山あり、谷ありですが、いつの時代も、この行動指針を大切にしてきたことが、どんなに厳しい環境があっても苦難を乗り越える原動力であったと思います。

今まさに大転換期にある伊藤忠にとって、この「ひとりの商人、無数の使命」が大切です。
皆さんがこれから最初に配属される部署において、また、今後の伊藤忠で仕事をしていく上において、常に何が自分にとっての使命かを自発的に考え、行動を起こしてほしいと思います。
皆さんの柔軟な発想と創意工夫で、取引先、株主をはじめ周囲の様々な期待と信頼に応えていって欲しいと強く願います。

最後に、新型コロナウイルスの影響と働き方にも触れておきます。

新型コロナウイルスは、いまだ収束には至っていません。伊藤忠にとって社員は家族の一員であり、社員の安全を第一に考え、出社を基本としつつ、早朝出勤や、状況に応じて勤務体制を柔軟に変化させています。
従って、配属後、出社や周囲とのコミュニケーションが制限される期間が続くかもしれません。そのような環境下でも、大切なことは一人ひとりの自覚と向上心です。伊藤忠には、皆さんの成長につながる仕事や学ぶ場が数多くあります。積極的に自ら成長機会を掴み、伊藤忠で成し遂げたいことを実現し、大きく活躍して欲しいと願っています。

改めて、皆さんの入社を心から祝福し、私の歓迎の挨拶とします。ありがとう。