次世代電池メーカー(24M Technologies, Inc.)の持分法適用会社化について

2021年5月18日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、社長COO:石井敬太、以下「伊藤忠商事」)は、半固体リチウムイオン電池の研究・開発を行う24M Technologies, Inc.(本社:米国マサチューセッツ州、President & CEO:Naoki Ota、以下「24M社」)のシリーズEラウンドにおけるリード投資家として他の投資家(スパークス・グループ株式会社が運営する「未来創生2号ファンド」等)も含めた出資ラウンドを取りまとめ、第三者割当増資を引き受けました。本出資を通じて、24M社を伊藤忠商事の持分法適用会社とし、同社と次世代リチウムイオン電池のグローバル製造・開発事業を共同推進してまいります。

24M社は、安全性、エネルギー密度、リサイクル特性、製造コストなどで現行のリチウムイオン電池を上回る半固体電池の研究・開発企業です。24M社は、現行リチウムイオン電池の製造工程を大きく改良、簡略化した独自プロセスを確立し、多数の技術特許を取得しています。最大の特徴は、現行リチウムイオン電池の性能を維持・向上できることに加え、使用部材の削減、製造プロセスの簡略化により、価格競争力・リサイクル特性・安全性の高い製品を提供できる点にあります。24M社は当該特許技術を複数の製造パートナーにライセンス供与することで、半固体電池の普及を進めていきます。2020年には京セラ株式会社が商業生産を開始しており、タイのGlobal Power Synergy PCL(GPSC)は、2021年中の商業生産稼働に向けて量産工場を建設中です。また、2020年12月には、ノルウェーのFREYR ASとライセンス契約を締結しました。

現在、電気自動車、再生可能エネルギーの普及拡大に伴い、リチウムイオン電池の需要が急増しております。また、欧州では、2030年までにリチウムイオン電池の製造に一定量のレアメタル(コバルト、リチウム、ニッケル等)再利用を義務付けるガイドラインが導入される予定です。伊藤忠商事は、世界規模で広がる電池需要の高まりに応え、かつリチウムイオン電池製造時におけるレアメタルの再利用を効率的に行う仕組みを確立すべく、製造ライセンスパートナーに対する電池部材の供給や製造設備販売を通じ、電池のリサイクル・リユース事業の展開を見据えた、需要地における現地パートナーとの協業、電池製造事業を拡大してまいります。

伊藤忠商事は、日本国内を中心に蓄電池ビジネスを展開しており、2021年3月末時点で、累計約4.3万台(約430MWh)の蓄電システムを販売しております。国内においては株式会社エヌエフ回路設計ブロックとの蓄電システム製造会社(株式会社NFブロッサムテクノロジーズ)を共同運営しています。海外においては、カナダのEguana Technologies, Inc.への出資を通じて、米国、欧州、豪州などの海外市場向けに蓄電池ビジネスの展開を進めています。伊藤忠商事は、24M社への出資を通じて、製造ライセンスパートナーとの協業を深め、蓄電システムの基幹部品であるリチウムイオン電池の安定調達体制を構築してまいります。

伊藤忠商事は、これまで培って来た電池ビジネスの知見を、24M社と共に進化させ、業界や製品の枠にとらわれない、新たな価値の創造、新たなエコシステムやサーキュラーエコノミー(循環経済)の創出に挑戦し続け、脱炭素社会と分散型エネルギー社会の実現に向けて貢献してまいります。

24M社概要

会社名 24M Technologies, Inc.
設立 2010年
本社 米国マサチューセッツ州ケンブリッジ
代表者 Naoki Ota
従業員数 68名(取締役:4名)

24M社の半固体電池