ブルーアンモニアの肥料用途における展開について

2021年9月2日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井敬太、以下「伊藤忠商事」)は、アブダビ国営石油会社(Abu Dhabi National Oil Company : 以下「ADNOC」)が販売を開始したブルーアンモニアを日本に輸入し、肥料用途としてマーケティングを開始いたします(※1)。最初の貨物は本年10月に日本に到着する予定です。現在日本でブルーアンモニアは燃料用途への検討が中心であるなか、ブルーアンモニアの肥料用途への利用は日本初の試みとなります(※2)。また、宇部興産株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:泉原雅人、以下「宇部興産」)などとブルーアンモニア肥料のサプライチェーンの構築の検討も同時に開始し、今後その枠組みを広げていく方針です。

現在全世界で年間約2億トンのアンモニアが製造されていますが、その大半は製造時にCO2が排出されるアンモニアであり、気候変動への影響が指摘されております。今回ADNOCが輸出するブルーアンモニアは、天然ガスからアンモニアを製造する際に排出されるCO₂を分離回収し地下に貯留することから、従来のアンモニアと比較してCO2排出量を大幅に削減するものです。

日本では農林水産省が策定した「みどりの食料システム戦略」の中で、2050年までに農林水産業におけるCO2ゼロエミッション化の実現が目標に掲げられております(※3)。このような環境下、化学肥料においてもライフサイクルベースでのCO2削減対策が求められております。

伊藤忠商事は、ADNOCと本年7月に肥料及び工業用分野向けブルーアンモニアのマーケティングの実施について合意いたしました。今後、宇部興産を始めとした肥料製造会社と共同で、ブルーアンモニアを利用した肥料の製造・販売・普及を行う事で、化学肥料製造・利用に伴うライフサイクルベースでのCO2削減、農業分野の持続的な成長へ貢献してまいります。

伊藤忠商事は中期経営計画の基本方針に『「SDGs」への貢献・取組強化』を掲げており、今後も脱炭素社会の実現に寄与する事業に取り組み、持続可能な社会の実現に向けた課題の解決を目指してまいります。