100%自然由来の生分解性樹脂を使用した包材の展開について

牛乳に含まれるたんぱく質(カゼイン)を活用しプラスチック削減に貢献

2022年5月2日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、味の素株式会社(本社:東京都中央区、社長:藤江 太郎、以下「味の素」)、東洋インキ株式会社(本社:東京都中央区、社長:柳 正人、以下「東洋インキ」)、伊藤忠プラスチックス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:林 英範、以下「伊藤忠プラスチックス」)と、バイオ系スタートアップ企業のLactips社(本社:フランス、CEO:Marie-Helene Gramatikoff)が製造する自然由来の生分解性樹脂を、ヒートシール剤(※1)に使用した環境配慮型の紙製包材を共同開発しました(特許申請中)。このたび味の素の「パルスイート® スリムアップシュガー®」<スティック20本入袋>のパッケージの外袋に同包材が採用され、2022年4月中旬の出荷分より順次リニューアルされております。

昨今、国内外で廃プラスチック問題や海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化問題等への対策が急がれています。その中で、石油由来プラスチックの数量削減、温室効果ガスの排出抑制、プラスチックごみの流出による海洋汚染を防ぐための施策が注目されています。

伊藤忠商事は、様々な環境下で生分解する自然由来の樹脂「ラクティプス」(以下「ラクティプス樹脂」)を製造するLactips社と2019年から日本における販売契約を締結し、これまで様々な用途開発に取り組んでまいりました。
ラクティプス樹脂は生分解性や水溶性、ガスバリア性、ヒートシール性に優れており、また原料の主成分であるカゼインは生乳から乳製品を製造・加工する際に発生する副産物であり、通常は廃棄されてしまうことが多い原料をアップサイクルして活用していることも特長です。従来のプラスチックと同様に様々な工程で加工が可能なことから、ラクティプス樹脂を活用することでプラスチック使用量の削減、廃棄物の削減等に貢献することが期待されており、伊藤忠商事は今後も日本国内における食品、トイレタリー、日用品などの包材開発に加え、その他幅広い用途でのさらなる展開を目指し商品検討を進めてまいります。

伊藤忠商事は中期経営計画の基本方針に「『マーケットイン』による事業変革」と「『SDGs』への貢献・取組強化」を掲げており、今後もバイオプラスチック事業分野において、国内外における伊藤忠グループのネットワークを活用し、新たな原料及びその用途開発に取り組み、世界の持続可能な発展に向けた社会の実現を推進してまいります。

  • ※1
    接着剤を使わず、熱によって包材を接着させるための材料。包材を製袋する際、一定の加熱・加圧によって素材を溶融接着するのに広く用いられる。

製品概要

製品名 「パルスイート® スリムアップシュガー®」<スティック20本入袋>
容量 32g
発売日/地域 2022年4月中旬以降、外袋をラクティプス樹脂を使用した紙製包材へ順次切替/【全国】
販売者 味の素株式会社

写真:スリムアップシュガー

Lactips社 会社概要

社名 Lactips
本店所在地 ZI Les Fraries 350 rue de l’industrie, 42740 Saint-Paul-en-Jarez
設立 2014年
代表者 Co-founder & CEO of Lactips, Marie-Helene Gramatikoff
URL https://www.lactips.com/

写真:EQUALLY BEAUTIFULサイトイメージ

伊藤忠商事はサステナブルなライフスタイルやファッション、環境にやさしい素材など、さまざまな分野でのエコロジーな取り組みを紹介するメディア「EQUALLY BEAUTIFUL.」を立ち上げました。