プラスチック資源循環プロジェクト「BLUE Plastics」においてファミリーマートの実店舗における実証実験の検討を開始

一般消費者が参加する実証実験を通じ、PETボトルの リサイクルにおけるトレーサビリティの価値を検証

2022年7月6日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)、伊藤忠プラスチックス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:林 英範、以下「CIPS」)、株式会社ファミリーマート(本社:東京都港区、代表取締役社長:細見 研介、以下「ファミリーマート」)、旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎、以下「旭化成」)は、資源循環社会の実現に向けたデジタルプラットフォーム構築プロジェクト「BLUE Plastics(Blockchain Loop to Unlock the value of the circular Economy、ブルー・プラスチックス)」において、ファミリーマート実店舗におけるトレーサビリティ(追跡可能性)システムのプロトタイプを用いたPETボトルリサイクルの実証実験(以下、本実証)を行うことで合意しました。本実証の初回は2022年秋以降に行う予定です。

1. 背景

使用済みプラスチックを資源として再利用する資源循環の推進や再生プラスチックの利活用が進んでいます。一方で、これまで再生プラスチックを利用した製品のリサイクルチェーンや、回収後の使用済みプラスチックがどのような製品に再生されたかを消費者が知ることは困難でした。また、回収されたプラスチックが同じ用途で再利用される「水平リサイクル」の推進も、資源循環を実現する上で重要なテーマとなっています。そこで旭化成は資源循環を促進させるデジタルプラットフォームの構築を行う「BLUE Plastics」プロジェクトを2021年度に発足させました。このプラットフォームでは、ブロックチェーン技術を活用することでリサイクルチェーンにおけるデータ改ざんを防ぎ、トレーサビリティを担保することができます。
本実証を通じて、旭化成、ファミリーマート、伊藤忠商事、およびCIPSは、コンビニエンスストアを起点とするPETボトルのリサイクルチェーンの可視化が、消費者の行動変容・再生プラスチックの利活用促進に与える影響を調査し、トレーサビリティの価値を検証します。

2. 本実証の概要

消費者は、本実証を行うファミリーマートの店頭に設置された回収箱に、使用済みPETボトルを投入します。その際、回収箱に印字された二次元コードをスマートフォンで読み取り、投入したPETボトルの本数をアプリ上で登録します。これにより消費者は、ブロックチェーン技術のトレーサビリティによって、自分が投入したPETボトルが回収後にリサイクルチェーンのどのプロセスにあるのかを確認することができます。

目的     使用済みPETボトルのリサイクルチェーンにおいて、トレーサビリティシステムを稼働させ、消費者行動の変容に関する仮説およびシステムの効果検証を行い、当該システムの社会実装上の課題を抽出すること。
実施時期 2022年秋以降の予定
実施場所 ファミリーマートの都内一部店舗(23区内)の予定
各社の役割 旭化成 : 本実証の企画設計・検証およびトレーサビリティシステム(プロトタイプ)提供
ファミリーマート : 実店舗を活用した実証実験の内容検討および実施・検証
伊藤忠商事、CIPS : トレーサビリティシステムの社会実装に向けた支援・協業

本実証の概要図

3. 各社の取り組み

伊藤忠商事

伊藤忠商事は、中期経営計画の基本方針に「『SDGs』への貢献・取組強化」および「『マーケットイン』による事業変革」を掲げており、国内外における伊藤忠グループのネットワークを活用し、プラスチックリサイクル領域での新たなビジネスモデルを創りあげることで、世界の持続可能な発展に向けた循環型社会の実現を推進致します。

伊藤忠プラスチックス

伊藤忠プラスチックスは、環境方針として「確かな素材を提供することで、より良い地球環境と経済成長の両立を図る企業活動」を掲げており、より環境にやさしい製品を提案する商社活動につとめるとともに、新たな原料及びその用途開発に取り組み、持続可能な社会の実現を目指して活動してまいります。

ファミリーマート

ファミリーマートは、中期経営計画の基本方針に「独自性のあるSDGsの推進」を掲げており、環境に関する中長期目標「ファミマecoビジョン2050」では、持続可能な社会の実現に貢献するため「温室効果ガス(CO2排出量)の削減」、「プラスチック対策」、「食品ロスの削減」の3つのテーマに基づき数値目標を設定し取り組みを進めております。その中の「プラスチック対策」の一環としては、再生PET樹脂をサラダや冷し麺の容器に使用しているほか、2021年7月からは、再生PET樹脂100% のリサイクルペットボトル(ボトルto ボトル)を、当社のプライベートブランドのミネラルウォーターの容器に使用しています。その他様々な取り組みにより、オリジナル商品の環境配慮型素材割合を2030年で60%、2050年には100パーセントにすることを目指しています。

旭化成

旭化成は、資源循環社会を実現するために、再生プラスチックのリサイクルチェーンを可視化することで安心して再生プラスチックを利用できる環境を整える必要があると考えています。また、資源循環と利便性の両立という社会課題は個々の企業の取り組みだけでは解決が難しいと考え、リサイクルチェーンに関わるさまざまな企業から消費者まで、幅広く使うことができる横断的なデジタルプラットフォームの開発を目指しています。そのため当社は昨年10月に、本デジタルプラットフォームの社会実装に向けた共創推進のため「BLUE Plastics Salon(https://www.plastictraceability.com/ )」を立ち上げました。2022年6月時点で40以上の企業や団体が入会しています。


今後、伊藤忠商事、CIPS、ファミリーマート、旭化成は、本実証を含む一連の取り組みを通じて、デジタルプラットフォームによるトレーサビリティの価値を確認し、さらなるプラスチック資源循環を推進してまいります。