車載リチウムイオン電池用遠隔劣化診断サービスのソリューション提供について

2022年7月22日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は株式会社日立ハイテク(以下「日立ハイテク」)が開発した車載リチウムイオン電池の遠隔劣化診断サービス(以下「本サービス」)を活用したソリューション提供を開始いたします。

自動車フリートマネジメント(※)の知見を持つ伊藤忠商事と、遠隔で電池の劣化状況を把握する技術を開発した日立ハイテクは、これまで数千台規模の電動車(以下「EV」)でのリチウムイオン電池の劣化状態(以下「SOH」:State of health)の遠隔診断を行うサービスの実証を行ってまいりました。そこでは、稼働中のEVのリチウムイオン電池データおよび運行データを取得・解析することにより、電池のパック単位・セル単位でSOHを正確に推定でき、お客さまが管理する車載電池の過去から現在に至る時系列のSOHを遠隔から把握することが可能となり、多数のEVを一元的かつ効率的にモニタリングおよびマネジメントできることを実証しました。この共同実証の成果を踏まえた両社の合意に基づき、伊藤忠商事の持つ日本国内及び海外ネットワークを通じ、自動車車両メーカー、リース・金融会社等への本サービスを活用したソリューション提案活動を開始いたします。

世界的なカーボンニュートラル社会の実現に向けて自動車の電動化に対するニーズが日々高まる中、安定的かつ効率的な運用実現がEVの普及に向けて重要となっております。これまで車載電池の劣化診断には、電池を車両から取り外し検査を行う必要がありましたが、本サービス導入により遠隔で電池の劣化状況把握が可能となり、電池寿命を最大限に利用できる環境を提供するとともに、車載時の履歴を管理することでEVからの退役電池を蓄電池などに2次利用またはリサイクルする環境の整備に繋げます。特に、安定稼働と高稼働率が求められる一方で、走行距離が長いことから電池の劣化がより懸念されるEV商用車においては、本サービスが国内外での本格的な普及促進への課題解決に貢献すると考えております。

また、両社は、ガソリン車等の内燃車からEVへの切替えを検討するお客さまに対して、稼働を確保しながら最適な電力料金となる充電スピード・充電実施時間の提案を行う充電シミュレーションサービスの開発を進めており、伊藤忠商事は、本サービスと併せて、お客さまにソリューションサービスの提供を行っていく予定です。

伊藤忠商事は、中期経営計画の基本方針に「『SDGs』への貢献・取組強化」を掲げています。これらの取り組みを通じてモビリティ分野の脱炭素化に貢献し、持続可能な社会の実現に向けた課題解決を目指します。

  • 自動車フリートマネジメント:運送会社やバス、タクシー、レンタカー、リース会社など、人や物の移動を目的に、保有・管理している多くの車両を基に運用する事業のこと。

伊藤忠商事株式会社について

会社名 伊藤忠商事株式会社
代表者 代表取締役会長CEO 岡藤 正広
本社所在地 東京都港区北青山2丁目5番1号
設立年月日 1949年12月1日
資本金 253,448百万円(2022年4月1日現在)
従業員数 4,200名(2022年4月1日現在)
売上高 売上収益 12兆2,933億円(2022年3月期)
URL https://www.itochu.co.jp/ja/index.html

株式会社日立ハイテクについて

会社名 株式会社日立ハイテク
代表者 代表取締役社長 飯泉 孝
本社所在地 東京都港区虎ノ門一丁目17番1号 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー
設立年月日 1947年4月12日
資本金 7,938,480,525円(2022年3月31日現在)
従業員数 連結12,717名、単独4,916名(2022年3月31日現在)
売上高 売上収益 5,768億円(2022年3月期)
URL https://www.hitachi-hightech.com/jp/

遠隔劣化診断について