医療・健康データ分析におけるAI解析サービスの提供開始について

~国内医薬品開発業務受託機関初となるDataRobot社とのパートナー契約締結~

2022年8月10日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、子会社であるエイツーヘルスケア株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:神谷 均、以下「エイツーヘルスケア」)を通じ、AIプラットフォームのリーディングカンパニーであるDataRobot, Inc.(本社:マサチューセッツ州ボストン、CEO:Dan Wright、以下「DataRobot社」)と国内の医薬品開発業務受託機関(以下「CRO」※1)初となるパートナー契約を締結し、医療・健康データ分析における医薬品・医療機器企業向けAI解析サービスの提供を開始いたします。

近年、製薬業界では、臨床現場で得られる診療行為に基づく患者の医療データや、様々なデータベースから日常的に収集される健康データといったReal World Data(以下 「RWD」)の活用の重要性が高まっております。RWDの解析によって得られた、医薬品の使用状況や臨床エビデンスを創出するソリューションの世界市場規模は2021年の約12億米ドルから、2026年には約23億米ドルに成長すると予測されています。※2

DataRobot社は、高度な技術力を必要とせずに短時間で精度の高い機械学習モデルを構築し、ビジネスへ適用する為のAIプラットフォームを提供しています。データの前処理、予測モデル開発の自動化に加え、実業務への適用後のモニタリング機能まで搭載しており、国内だけでなくグローバルレベルでヘルスケア業界におけるAIの利活用を成功に導いております。
エイツーヘルスケアは、国内のリーディングCRO として、製薬業界における50年以上の実績があり、現在では50名以上の臨床開発の知識を有したデータサイエンティストが医薬品・医療機器企業向けのデータ分析を担っております。2018年4月には、リアルワールドエビデンスグループを設立し、RWDに関連する知見と業務実績を積み重ねてまいりました。

今般、エイツーヘルスケアのデータサイエンティストがDataRobot社のAIプラットフォームを活用して提供するAI解析サービスは、ウェアラブルデバイス等で得られるような逐次的なデータや遺伝子解析のような大量のデータ等を扱うことが可能になり、疾患の状態変化等の関連性を解き明かす、より精度の高いモデルを構築することが可能です。これにより、医薬品とその効果・副作用、リスク因子等との既知の因果関係を更に強めることができたり、これまで解明されていなかった因果関係を明らかにでき、疾病に対して効果的な予防や、治療法を見出すことが可能になります。

伊藤忠商事は、中期経営計画の基本方針として「『マーケットイン』による事業変革」を掲げており、本取組はこれに合致するものです。伊藤忠商事およびエイツーヘルスケアは、今後もヘルスケア領域を注力分野と位置づけ、先進的な技術、サービスを創造する企業との業務提携を通じ、より良い医療が提供される社会に貢献するよう、積極的な事業展開を進めてまいります。

これまでのCRO業界のデータ解析との違い

  • ※1CROとは、Contract Research Organization(医薬品開発業務受託機関)の略であり、医薬品などの開発において必要となる業務(モニタリング、データマネジメント、統計解析業務等)のアウトソーシングビジネスのこと。
  • ※2出典元:RWE (リアルワールドエビデンス) ソリューションの世界市場・COVID-19の影響 (~2026年)
  • 「DataRobot」は DataRobot, Inc. の登録商標です。

エイツーヘルスケア株式会社

所在地 東京都文京区
代表 神谷 均
設立 2003年7月
事業内容 医薬品・医療機器・再生医療等製品・ワクチン開発、 製造販売後調査等、臨床研究受託事業
URL https://www.a2healthcare.com/

DataRobot, Inc.

所在地 マサチューセッツ州ボストン
代表 Dan Wright
設立 2012年6月
事業内容 汎用機械学習プラットフォームの提供
URL https://www.datarobot.com