フランス電力会社(EDF)、 シンガポール・トゥアスパワー社(Tuas Power)とのグリーン水素分野での協業に関するMOU締結について

2022年10月26日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、フランス最大の電力会社であるÉlectricité de France(本社:フランス、以下「EDF社」)、およびシンガポールの発電会社であるトゥアスパワー社(本社:シンガポール、以下「Tuas Power社」)と、脱炭素社会の実現を目指したグリーン水素およびアンモニア分野での協業に関するMemorandum of Understanding(MOU)を締結いたしました。

本MOUはこのほどシンガポール政府貿易産業省傘下のEnergy Market Authority (EMA)が主催したSingapore International Energy Week (SIEW) 2022にて調印されたもので、今後3社は各社の知見を活かし、 脱炭素社会の実現に向けたグローバルな再生可能エネルギープロジェクトの開発から、グリーンアンモニア製造、発電、船舶燃料としての供給に至るグリーン水素由来のアンモニアサプライチェーンの構築に向けて、具体的な案件の取組について検討してまいります。

アンモニアは低コストで効率よく輸送・貯蔵できる水素キャリアであり、アンモニアの既存用途の大半を占める肥料の原料の他に、火力発電所や船舶でのCO2フリー燃料として、温室効果ガス排出の削減効果が期待されています。3社で開発検討するグリーンアンモニアは、従来のガスや石炭といった化石燃料由来の製法とは違い、再生可能エネルギー(太陽光や風力)を資源とし、電気分解プロセスを経て得られるグリーン水素から生産されるため、CO2排出をネットゼロに近づける上で、次世代の持続可能なエネルギー資源として注目されています。

伊藤忠商事は中期経営計画の基本方針のひとつに「『SDGs』への貢献・取組強化」を掲げています。安定的なアンモニア供給のためのサプライチェーンの構築に向けた取組を強化していく中で、アンモニア燃料船の開発や舶用アンモニア燃料の国際バリューチェーンの構築、南アフリカでのグリーンアンモニアサプライチェーンの事業化調査や、カナダでのブルーアンモニア製造販売事業プロジェクト等を推進しています。

本MOUをプラットフォームとし、EDF社は再生可能エネルギー開発由来の水素において、世界的な供給者を目指します。Tuas Power社は、脱炭素国家を目指すシンガポールにおいて、脱炭素燃料への切り替えにより同国のグリーン発電に貢献することを目指します。そして伊藤忠商事は、脱炭素化社会の実現に向けて、再生可能エネルギー開発を推進し、グリーンアンモニアのグローバルなサプライチェーン構築を追求してまいります。

  • ブルーアンモニア:従来の化石燃料由来のアンモニア製造プロセスによって生成される二酸化炭素を地中深くに貯留・圧入するCCS(二酸化炭素回収・貯留)等の工程を加えることで製造されるアンモニア。